この記事では次の内容をまとめています。
・日鉄物産システム建築とは
・日鉄物産システム建築のメリット
・日鉄物産システム建築のデメリット
日鉄物産システム建築での工場・倉庫建設を考えている方が知っておくべきことを全てまとめました。
日鉄物産システム建築とは
40年の歴史があるシステム建築の専業メーカーで、日本製鉄のグループ会社です。
年間270棟を供給した実績があり、これまでの施工棟数は3,500棟もあります。
3種類のシステム建築商品を持っており、工場と倉庫だけでなく、事務所、店舗、スポーツ施設と幅広い用途で利用されています。
日鉄物産システム建築で工場・倉庫建設をするメリット8つ
この章では日鉄物産システム建築のメリットをご紹介します。
①2階建てが建設可能 |
②6種類の基礎を持つ |
③日本製鉄から部材を調達 |
④全国に加盟会社がある |
⑤営業担当者の知識が豊富 |
⑥耐震性が高い |
⑦天井走行クレーンを設置できる |
⑧一般倉庫以外も建設可能 |
2階建てが建設可能
日鉄物産システム建築の商品であるネオ(規格進化型システム建築)とトレオ(自由設計型システム建築)では平屋だけでなく2階建ても建てることができます。
そのため、
・1階は工場(倉庫)にして2階は事務所にしたい
・限られた土地でできるだけ面積の広い建物を建てたい
という場合に向いています。
6種類の基礎を持つ
日鉄物産システム建築には6種類の基礎が用意されており、基礎までシステム化されています。
地盤や建物の形状に合わせて適したものを使用します。
システム化が徹底されることで、工期の短縮や建設コストの削減といったメリットが生まれます。
日本製鉄から部材を調達
日鉄物産システム建築は日本製鉄グループの会社で、親会社は日鉄物産です。「鉄」のネットワークの中にある企業で、建築に使用する鋼材は日本製鉄から仕入れます。
そのため、安定供給が可能ですし、調達までの工程がスムーズに進みます。
また、品質の高さも期待できます。
これは他のシステム建築メーカーにはない強みです。
全国に加盟会社がある
日鉄物産システム建築は北海道から九州まで多数の加盟店を有しています。
加盟会社には施工会員、流通会員、設計会員が含まれ、総数は1500社を超えます。
日鉄物産システム建築の商品で工場や倉庫を建てる際は日鉄物産システム建築が設計や工事を行うのではなく、会員の設計会社や施工会社が作業を行います。
会員は日鉄物産システム建築の公式サイトから調べるができます。
営業担当者の知識が豊富
営業担当者の6割以上が一級建築士または施工管理技師の資格を持っています。
専門知識を持った人に相談すれば、工場・倉庫建設について的確なアドバイスをもらえますし、ご自身に建築に関する知識がなくても安心です。
工場・倉庫の建設は完成まで長期に渡りますし、コストもかかるため、1つ1つのプロセスを納得しながら進めることが大事です。
耐震性が高い
阪神大震災、東日本大震災の際に被害状況確認調査を行なったところ、日鉄物産システム建築で建てた建物の構造体に損傷はなかったそうです。
システム建築は部材を徹底的に合理化し、さらに使用する部材の点数も最小限にしているため、建物の重量が軽く、地震に強い建物が完成します。
震度7クラスの地震にも耐えているのは耐震性の高さが伝わりますね。
天井走行クレーンを設置できる
日鉄物産システム建築の3つの商品全てで10トンまでの天井走行クレーンを設置できます。
条件によっては10トン以上でも設置できるそうです。
一般倉庫以外も建設可能
一般倉庫はもちろんのこと、危険物倉庫、冷蔵倉庫、営業倉庫も建設可能です。
3つの商品全てで対応可能だそうです。
日鉄物産システム建築で工場・倉庫建設をするデメリット
日鉄物産システム建築での工場・倉庫建設にはメリットがたくさんある一方で、デメリットもあります。
まず、3階建て以上の建物を建てることができません。
他のシステム建築メーカーでは3階建てに対応しているところもあります。
また、日鉄物産システム建築のこれまでの施工棟数は3,500棟以上ですが、別のシステム建築メーカーの「yess建築」は約11,000棟の実績があります。
ただし、日鉄物産システム建築もシステム建築メーカーの中では特に実績が多い会社の1つです。
日鉄物産システム建築での工場・倉庫建設の価格
日鉄物産システム建築の坪単価や価格は使用する部材、立地、外壁や屋根の仕様など、様々な面によって変わります。
そのため、一概にいくらと説明することは難しいですし、公式ホームページでも具体的な費用は明かされていません。
建設費を知りたい場合は日鉄物産システム建築に問い合わせをし、見積もりが欲しい旨を伝えましょう。
日鉄物産システム建築の商品の種類
この章では日鉄物産システム建築の3つの商品の特徴をご紹介します。
ティオ
平屋専用の商品です。一般工法に比べて最大約25%のコストカットを実現できます。
また約25%の工期削減も可能です。
このようにコストも工期も削減しつつ、高耐震性、高断熱性、高水密性も実現しており、高機能です。
こちらは平屋専用のため、2階建てを建てたい場合は他の2つの商品を選ぶ必要があります。
軒高:10m
屋根勾配:3/100(切妻、片流れ)
桁行柱間隔:6m(※調整ピッチは3~6m(@0.5m)で設定。多雪地域では間柱が入ることも)
ネオ
平屋はもちろん、2階建てや大規模な建物にも対応できます。
地盤、床荷重、積雪といった条件にも、様々な種類のシステムの中から最適な組み合わせで対応します。
工場や倉庫向きの商品です。
軒高:12m
屋根勾配:3/100(切妻、片流れ)
桁行柱間隔:6mおよび7.5m
トレオ
自由設計型のため、工場や倉庫に限らず、事務所、店舗、スポーツ施設など、用途に合わせた設計ができます。
より自由度の高い建設がしたい方におすすめです。
軒高:16m
屋根勾配:3/100(切妻、片流れ)
日鉄物産システム建築で工場・倉庫を建設する際に見るべきポイント6つ
この章では日鉄物産システム建築で工場や倉庫を建てる際に見るべきポイントをご紹介します。
①面積 |
②レイアウト |
③階数 |
④断熱性能 |
⑤建物内の運搬方法 |
⑥太陽光パネルの有無 |
面積
面積が広くなればなるほど建築コストは増大します。
小さく建てた場合、コストは少なくなりますが、将来、生産設備や倉庫を拡大することになると、増築する必要が出てきます。
すると、最初に大きな建物を建てる場合に比べて費用は多くかかります。
一方で、大きく建てた場合、建物の使用方法に変更が生じても柔軟に対応できるのがメリットです。
レイアウト
工場や倉庫にとってレイアウトは非常に重要です。
なぜなら、レイアウト次第で生産効率が変わるからです。
最適なレイアウトにするためには工場や倉庫建設に携わった実績がある建設会社や設計士に依頼することが大切です。
建設会社の中には住宅建設がメインで工場や倉庫を建てた経験が少ないところも多いため、建設会社の実績は必ず確認しましょう。
階数
システム建築といえば平屋のイメージを持つ方も多いと思いますが、日鉄物産システムは2階建ても建設することができます。
2階建てにすると、限られた土地でも面積の広い建物を建てることができます。
ただし、フロアの中に昇降機や階段のためのスペースを用意しなければなりません。
断熱性能
外壁に断熱材を入れるなど、断熱性を高めるための対策をすると建設コストは増えます。
ただし、断熱性が高い建物は外気の影響を受けにくいですし、冷暖房の稼働効率も高いです。
そのため、電気代の節約になります。
また、快適な環境を作ることにより、従業員の企業に対する印象が良くなる効果もあります。
建物内の運搬方法
トラックやフォークリフトといった大型の機械が建物内を移動する場合、それに合わせて通路やレイアウトを決める必要があります。
そこで、工場や倉庫を建設する際はどのような運搬方法を使用するか明確にしておきましょう。
太陽光パネルの有無
屋根に太陽光パネルを設置するのとしないのでは建物の仕様が変わります。
そこで、太陽光パネルの有無についても考えましょう。
建設後に設置することも可能ですが、建物の仕様によっては理想通りの設備を設置できないこともあります。
そこで、太陽光発電を考えているのであれば、建設段階で決断するのが望ましいです。
まとめ
日鉄物産システムは日本製鉄のグループ会社で、「鉄」のネットワークを持っているのが他の建設会社との大きな違いです。
日鉄物産システムは日本のシステム建築メーカーの中でも特に規模が大きく、他にはJFEシビルのメタルビル建築や横河システム建築のyess建築も有名です。
メーカーによって特徴が異なるため、様々なメーカーを比べた上で最適なところを選びましょう。