倉庫での入出荷作業はとても重要性が高いです。
なぜなら、顧客に正しく製品を届けるためには入荷と出荷の際にミスなく作業をすることが欠かせないからです。
そのため、作業は丁寧に行う必要があります。
ただし、丁寧に作業しつつ、効率を上げることにも力を入れる必要があります。
作業を効率化して1日に出せる荷物の量が増えればその分売上も上がり、企業にとって大きなメリットがあるからです。
入出荷作業を効率化する方法はたくさんあり、企業の状況に合った方法を取り入れれば作業状況が改善し、効果が見られるでしょう。
しかし、具体的にどのような対策をとれば良いか分からないという方もいるかもしれません。
そこで、今回は倉庫の入出荷作業の重要性や効率化する方法をご紹介します。
1日の出荷量をもっと多くしたい、入出荷作業についてこれまであまり重要視していなかったという方はぜひ参考にしてくださいね。
倉庫の入荷作業の重要性
入荷作業は大まかに次のような流れで行われます。
- 入荷(仕入先から荷物を受け取る)
- 入荷検品(荷物の数や品質などに問題がないか確認する)
- 入庫(検品したものを倉庫に入れる)
入荷は倉庫作業の起点となるものです。
もし、届いた荷物が納品書に書かれている内容と違ったり、不良品があったりすると、在庫差異や不足を起こしたりしてしまいます。
このプロセスでは問題を早期発見し、後のトラブルを防ぐことが求められます。
倉庫の入荷作業を効率化する方法8つ
入荷作業を丁寧に進めつつ、効率化する方法はたくさんあります。
これからご紹介していくので、どれが取り入れられそうか考えてみましょう。
倉庫の整理整頓を徹底する
作業をするスペースでは整理整頓を徹底しましょう。
なぜなら、物が散らかっていると作業がしにくくなるからです。
例えば、作業をする机の上に物が置かれていると毎回それをどけなくてはならず、時間のロスになります。
また、入庫作業をスムーズに行うため、棚の周辺も綺麗にしておきましょう。
一時的に片付けるだけではなく、その状態を維持する努力も必要です。
マテハン機器を導入する
マテハン機器とはベルトコンベア、台車、パレットなど移動に使われる道具のことを指します。
こうした道具を使うことで多くの荷物を一度に倉庫まで運ぶことができ、運搬作業を効率化できます。
フォークリフトやベルトコンペアなどコストがかかるものは企業の規模によっては導入が難しいかもしれませんが、台車など比較的安価なマテハン機器でも使い方次第で役立ちますよ。
最短距離で動けるレイアウトを作る
入荷作業では入荷してから倉庫に荷物を入れるまでたくさん移動が行われます。
そこで、最短距離で動けるようなレイアウトを作れば移動時間を削減できます。
作業効率を高めるレイアウトの作り方はこちらで詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。
最短距離で動けるロケーションを作る
入庫の効率を良くするには商品のロケーションを最適化しましょう。
ロケーションをなんとなくで決めていると荷物を入れるのに倉庫中を歩きまわらなくてはいけなくなります。
最適化するには出荷頻度が高いものを入荷作業をする場所の近くに、反対に頻度が低いものは遠い場所に配置することで最低限の移動で入庫できます。
フリーロケーションを用意する
期間限定の商品などイレギュラーな在庫に対応するため、フリーロケーションを用意しましょう。
あらかじめイレギュラーに備えて棚を用意しておくことで、入荷時に空いている場所を探す手間が省けます。
人員配置を最適化する
入荷作業を早く終わらせるには人員を確保するのが効果的ですが、ただ人数を増やすだけでは不十分です。
理想的なのはそれぞれのタイミングで適切な人数を配置することです。
例えば、荷物が届いてからしばらくは作業量が多くなるため、たくさん人員を配置することが求められます。
反対に、入荷がない日は人数が少なくても問題ありません。
入荷スケジュールをもとに適切な人員配置を考えてみましょう。
WMS(倉庫管理システム)を導入する
在庫管理をデジタル化すると倉庫作業の効率化が実現します。
例えば、入荷ではハンディでバーコードをスキャンするだけで検品をすることができ、速く作業を進めつつ、正確性も上げることができます。
もちろん、入荷時だけでなく、ピッキングや棚卸しの際にも便利で、倉庫管理のあらゆる場面で効率化を進めます。
入荷作業のマニュアル化
作業効率を最大限高めるには作業員全員が効率の良いやり方を取り入れることが求められます。
そこで、入荷作業のマニュアルを作り、作業員に周知しましょう。
マニュアルがあれば新人が入ったときに教えやすく、教育にかける時間を少なくできるという効果もあります。
倉庫の出荷作業の重要性
出荷作業は大まかに次のような流れで行われます。
- ピッキング(出荷する商品を集める)
- 出荷検品(オーダーと商品が合っているか確認する)
- 梱包
- 発送
顧客のもとに製品を届ける前の最後の作業なので入荷作業と同様にとても重要です。
もし、出荷検品でミスがあれば注文したものと異なる製品が届き、顧客からの信頼を失ってしまいます。
また、対応に追われることで貴重な時間も失います。
商品の種類や点数の間違い、宛先の貼り間違い、梱包ミスなどあらゆるミスが考えられるため、慎重に作業を行わなくてはいけません。
倉庫の出荷作業を効率化する方法3つ
入荷作業と同様に、出荷作業でも効率化のためにできることがいくつかあります。
入出荷の両方で効率化を進め、倉庫作業にかかる時間を大きく減らしましょう。
出荷スペースを十分に用意する
出荷作業では検品をしたり、ダンボールに製品や緩衝材を詰めたり、荷物を積んだりと様々な作業を行うため、広いスペースを用意することで作業がスムーズに進みます。
現在の出荷スペースは十分か、スタッフが動きにくそうにしていないか改めて確認してみましょう。
適切なピッキング方法を選ぶ
ピッキングには主に2つの方法があり、倉庫で扱う製品や出荷数によって適する方法が異なります。
2つのピッキング方法についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
適正な在庫数を保つ
倉庫に物がありすぎるとピッキングに時間がかかってしまいます。
そこで、常に適正な在庫量を保つように管理しましょう。
適正な在庫管理をする方法はこちらの記事でご紹介しています。
出荷作業を効率化する方法はこれらだけでなく、入荷作業の効率化の方法と被るものもあります。
入荷作業の効率化のやり方を改めて振り返りながら、どんな施策を取れば良いか考えてみましょう。
倉庫の入出荷作業の効率化を成功させる3ステップ
入出荷の効率化は手順に沿って進めることで効果が出やすくなります。
そこで、最後に入出荷作業の効率化を成功させるための3ステップをご紹介します。
倉庫の現状把握
まずは現在入出荷作業においてどのような問題があるのかを明確にしましょう。
課題を明らかにして、必要な施策を取ることで変化が出やすくなります。
例えば、出荷に時間がかかりすぎている、入庫の完了までにかかる時間が長いなど、倉庫によって課題は異なります。
現場で作業に当たっている人の意見を聞いてみてもいいでしょう。
施策の検討
課題が明確になったらどのような施策を行うべきかを検討しましょう。
先ほどご紹介した効率化の方法もぜひ参考にしてくださいね。
実行・効果測定
施策が決定したら実行に移しましょう。そして、ただ実行するだけでなく、効果測定も行いましょう。
施策を実施して一定期間経ったら、作業効率がどのように変化したかを確かめ、もしも思うように変化が起こっていなければ再度施策を考えましょう。
まとめ
入荷作業は在庫管理におけるトラブルを防ぐために重要なプロセスです。
また、出荷作業も顧客に製品が届く最後のプロセスなので慎重に行わなくてはいけません。
そんな入出荷作業の効率化を進めるにはただ従業員に速く動くように求めるのではなく、作業の正確性と作業スピードを両立できる施策を用意する必要があります。
ぜひ日々の入出荷作業にかかる時間を短縮し、より売上を作れるようになりましょう。