この記事では次の内容をまとめています。
- 製造業が貢献できるSDGsの目標
- SDGsのためにできること
- SDGsに力を入れるべき理由
SDGsに力を入れていきたいと考えている製造業が知っておきたいことを全てまとめました。
製造業が貢献できるSDGsの4つの目標
SDGsとは持続可能な開発目標という意味です。
持続可能な開発を目指すための17個の目標があります。
2015年に国連総会で採択され、2030年までの達成を目指しており、国だけでなく、企業も達成に向けて取り組むところが増えてきています。
いろいろな捉え方がありますが、製造業では17の目標のうち、次の4つの達成に貢献できると考えられます。
ゴール7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
ゴール8 働きがいも 経済成長も
ゴール9 産業と技術革新の基盤を作ろう
ゴール12 つくる責任 つかう責任
今回はこの4つのゴールの達成のために製造業ができることをそれぞれご紹介していきます。
製造業がSDGsのゴール7の達成のためにできること4つ
この章ではエネルギーに関するゴール「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の達成のためにできることをまとめました。
1 | 断熱材を利用して冷暖房の使用頻度を減らす |
2 | 照明をLEDに切り替える |
3 | 省エネの機械を利用する |
4 | 太陽光発電を取り入れる |
断熱材を利用して冷暖房の使用頻度を減らす
夏に暑くなりやすく、冬に寒くなりやすい工場では冷暖房が欠かせません。
空間が広いのが一般的なので、工場では冷暖房を使うことでエネルギーを多く使用することになります。
こうしたエネルギーを削減する対策の1つが外壁や天井に断熱材を入れて、外気の影響を受けないようにすることです。
断熱材は建設の際に入れたり、既に建物がある場合は後付けしたりすることで利用できます。
断熱や遮熱をすれば電気代が削減できる効果もありますよ。
照明をLEDに切り替える
LEDは長持ちし、消費電力を抑えられるというメリットがあります。
一方で、価格は白熱電球よりも高いというデメリットがあります。
一度に全ての電球を変えようとするとコストの負担が大きくなるでしょう。
そこで、今使っている電球が切れたらその都度LEDに入れ替えていきましょう。
省エネの機械を利用する
工場で使われる機械には省エネ対応のものがあり、こうした設備を導入すればエネルギー使用量を減らすことができます。
新しく機械を購入する際は省エネ対応かどうかに注目しましょう。
太陽光発電を取り入れる
太陽光発電はクリーンなエネルギーです。
一般的に、屋根が平らで太陽光パネルを設置しやすいことから、工場は太陽光発電を導入するのに向いていると言われています。
初期コストこそかかるものの、電気代削減にもなるので、気になる場合は一度検討してみてはいかがでしょうか。
製造業がSDGsのゴール8の達成のためにできること6つ
この章では経済成長に関するゴール「働きがいも 経済成長も」の達成のために工場ができることをまとめました。
1 | 快適な職場環境を作る |
2 | 女性も働きやすい環境を作る |
3 | 生産性を上げる |
4 | ロボットやAIを活用する |
5 | 福利厚生を充実させる |
6 | スキルアップを支援 |
快適な職場環境を作る
社員に働きがいを持ってもらうために快適な職場環境を作りましょう。
そのための様々なアプローチの仕方が考えられます。
例えば、冷暖房をつけることで快適な温度下で働けるようにしたり、こまめに休憩を取ってもらったりといった方法があります。
些細な工夫でできるので、あなたの会社ではどんなことができるかぜひ考えてみましょう。
女性も働きやすい環境を作る
製造業では女性も働きやすい環境を作ることを意識しましょう。
工場では男性の社員が多いのが一般的ですが、女性が活躍できる場面は多々あり、女性社員は企業にとってとても大切な存在です。
更衣室を設けたり、育休を取りやすいようにしたりと、女性にとって快適な環境作りを意識しましょう。
生産性を上げる
生産性が上がれば経済成長に貢献できるだけでなく、社員にもいい影響があります。
例えば、製造の過程で無駄な工程があると、従業員のやる気を削ぐ原因になります。
こうしたものを排除すれば、納得しながら働いてもらえます。
当然、生産効率を上げることは企業の業績アップにも繋がり、メリットだらけなので、生産性を常に追求しましょう。
ロボットやAIを活用する
ロボットやAIは人間に代わって働いてくれるため、生産性を大きく上げてくれます。
24時間働けるのは人間にはない魅力です。
導入するには多額の費用がかかり、場合によってはランニングコストも必要ですが、得られる効果はとても大きいです。
福利厚生を充実させる
産休や育休を取りやすいようにしたり、社員割引が使えるお店や施設を増やしたりと福利厚生を充実させると従業員の満足度が上がります。
また、会社に対して良い印象を持つことで、離職を防げるという効果も期待できます。
スキルアップを支援
社員のスキルアップは本人にとっても会社にとってもメリットがあります。
まず、社員がスキルを身につけ、成長し、仕事に活かせるようになれば、日々の仕事にやりがいを持って取り組めるようになります。
また、会社にとってはスキルのある社員が増えることで、より売上を伸ばすことができるようになります。
資格取得を支援したりと、従業員のスキルアップのためにできることを考えてみましょう。
製造業がSDGsのゴール9の達成のためにできること2つ
この章では技術革新に関するゴール「産業と技術革新の基盤を作ろう」の達成のためにできることをまとめました。
1 | セキュリティ対策を万全にする |
2 | 環境に配慮した原材料を使用する |
セキュリティ対策を万全にする
現代では仕事においてパソコンは必需品になっています。
パソコンの中には会社や取引先の重要な情報が入っています。
それだけにセキュリティ対策は徹底する必要があります。
もし、ここが疎かになっていて、情報漏洩が発生すれば、企業の信用は大きく下がるでしょう。
常にセキュリティ対策は万全にしておきましょう。
環境に配慮した原材料を使用する
安定した産業を実現するためには環境に優しい原材料を使うことが大切です。
つい安さだけを求めてしまいがちですが、SDGsに取り組むなら環境に優しいものかどうかという視点も持ちましょう。
製造業がSDGsゴール12の達成のためにできること3つ
この章では生産者の責任に関するゴール「つくる責任 つかう責任」の達成のためにできることをご紹介します。
1 | 廃棄ロスを減らす |
2 | ゴミをリサイクルする |
3 | 機械のメンテナンスを徹底する |
廃棄ロスを減らす
工場はゴミをできるだけ出さないことが求められます。
そのためには製造の過程でなるべく廃棄ロスが出ないようにすることが望ましいです。
無駄のない製造をしたり、従業員によるミスが起きにくいようにして不良品の発生を防いだりと対策を練りましょう。
ゴミをリサイクルする
どれだけ対策をしても一定量のゴミは必ず出ます。
このゴミをできるだけリサイクルすることができればさらに廃棄物を減らすことができます。
木くずを燃料として使用したり、金属くずは買い取ってもらったりと様々な方法がありますよ。
機械のメンテナンスを徹底する
製造に使う機械をこまめにメンテナンスし、長く使うことでもSDGsに貢献できます。
つい疎かにしがちなところですが、機械の購入費用の節約にも繋がりますので、メンテナンスは定期的に行いましょう。
製造業がSDGsに力を入れるべき理由2つ
この章では製造業がSDGsに力を入れるべき理由をまとめました。
1 | 企業イメージが良くなる |
2 | 社内の労働環境を改善できる |
企業イメージが良くなる
SDGsに力を入れ、社会に貢献すれば企業イメージを良くすることができます。
近年、企業を評価する基準として環境対策をしていることや社会に貢献していることが重視されることがあり、こうした企業を選んで投資する投資家もいます。
つまり、SDGsに取り組むことで資金調達がしやすくなることもあるということです。
社内の労働環境を改善できる
SDGsの達成を目指す過程で、生産性を上げたり、職場環境を改善しようとしたりします。
すると、社会に貢献するだけでなく、社内の人間にも大きなメリットがあります。
このように、SDGsに取り組むと多方面で良い影響を与えるので、積極的に目標達成に向けた施策をしましょう。
まとめ
製造業では次の4つのSDGsのゴールに関わることができます。
ゴール7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
ゴール8 働きがいも 経済成長も
ゴール9 産業と技術革新の基盤を作ろう
ゴール12 つくる責任 つかう責任
地球や社会に優しい活動ができるだけでなく、社内の労働環境の改善にも繋がり、様々なメリットをもたらします。
ぜひできることから始めてみましょう。