この記事では次の内容をまとめています。
・工場・倉庫は風力発電を導入できる?
・風力発電を導入するメリット
・風力発電を導入するデメリット
風力発電を導入するか迷っている工場・倉庫の担当者が知っておくべきことを全てまとめました。
工場・倉庫は風力発電を導入できる?
風力発電といえば大きな羽根を持つ設備のイメージがあり、「工場や倉庫の敷地に置けるのか?」と疑問に思う方も少なくないでしょう。
実は、風力発電は工場や倉庫にも導入することができます。
実際に国内で風力発電を導入している工場もあります。
風力発電は一般的に想像されるような大きさのものだけでなく、小型のものもあるため、工場や倉庫にも設置することができます。
工場・倉庫が風力発電を導入するメリット5つ
この章では工場や倉庫が風力発電を導入するメリットをご紹介します。
①月々の電気代を削減できる |
②環境対策により企業イメージが良くなる |
③停電時でも電気を使える |
④工場から出る風を利用できる |
⑤夜でも発電が可能 |
月々の電気代を削減できる
風力発電を導入するメリットといえば、やはり毎月の電気代を減らせることです。
無料で手に入る資源である「風」を利用するため、風力発電で作った電気を使うと電力会社から購入する電気量を抑えられ、結果として電気代は安くなります。
工場や倉庫では月々の電気代が高くなるところも多く、このようにコスト面で受けられる恩恵は非常に大きいです。

環境対策により企業イメージが良くなる
風力発電はクリーンなエネルギーを利用した発電方法。
二酸化炭素の発生量を抑えられるため、企業にとって環境対策の1つとなります。
近年、環境対策に配慮した取り組みを実施している企業が評価される傾向があり、風力発電を導入することで、消費者、取引先、投資家などからの企業イメージの向上が期待できます。

停電時でも電気を使える
停電しても電力が供給されるというメリットもあります。
風力発電は一定の強さの風が吹くことで発電するため、例え電力会社からの供給が止まっても影響を受けません。
工場や倉庫は電気が止まると通常の業務ができず大きな影響を受けるため、停電時でも電気を使えるのは大きな強みです。
突然の停電だけでなく、計画停電の際も心強いですね。
工場から出る風を利用できる
風力発電では自然に発生する風だけでなく、工場から排出される風を利用して電気を生み出すこともできます。
この風は工場が稼働している間に発生し続けるため、風がない日でも発電することができます。
製造に伴って風が出る工場と風力発電の相性はぴったりです。
夜でも発電が可能
同じクリーンエネルギーを利用した発電方法として太陽光発電があります。
企業だけでなく、一般家庭に導入されるケースも増え、風力発電よりも浸透している太陽光発電ですが、太陽が沈んでいる夜間は発電できないというデメリットがあります。
一方で、風力発電は風が吹けば昼でも夜でも電気を使うことができます。

工場・倉庫が風力発電を導入するデメリット5つ
この章では工場や倉庫が風力発電を導入するデメリットをご紹介します。
①発電量が自然環境に左右される |
②導入費用がかかる |
③定期的にメンテナンスが必要 |
④景観への配慮が必要 |
⑤騒音の心配がある |
発電量が自然環境に左右される
風が吹いていない間は発電することができないのがデメリットです。
風力発電のようなクリーンエネルギーを用いた発電方法は環境に優しく、電気代も削減できるメリットがある一方で、発電量が自然の状況に左右されるという欠点があります。
発電しない間は普通の電気を使用することになり、その分、電気代が発生します。
導入費用がかかる
風力発電は電気代がかからないのがメリットですが、導入費用は必要です。
特に大型の設備は費用がかかります。
そのため、
- 最初に投資した分を回収することができるか
- 回収するまでに何年かかるか
を導入時に確認する必要があります。
定期的にメンテナンスが必要
導入費用だけでなく、メンテナンス費用もかかります。
風力発電の羽根は何度も回転するため、摩耗しやすく、寿命が来たら交換する必要があります。
もちろん、他の部分も定期的に点検する必要があります。
そのため、導入を検討する際は初期費用だけでなく、メンテナンス費用も考慮しましょう。
景観への配慮が必要
工場や倉庫の周辺環境によっては、大型の風力発電を導入すると景観に関するクレームが入るリスクがあります。
その理由としては次のようなものが考えられます。
- 周りに高い建物がないため風車が目立つ
- 景観保全が重視されている地域だから
- 風車の羽根の影が気になる
周りに住宅地がある場合、小型の設備を導入したり、他の発電方法を選んだ方が良いかもしれません。
騒音の心配がある
風車が動く際に騒音や振動が発生し、クレームが発生する可能性があります。
近隣住民から苦情が出るだけでなく、社員が「音が気になって仕事に集中できない」と不満を抱えるケースも考えられます。

工場・倉庫が風力発電で電気代を削減するときのポイント5つ
この章では工場や倉庫が風力発電を導入する際に押さえるべきポイントをご紹介します。
①敷地内の風量を確認する |
②建設時に導入する |
③実績のある施工会社を選ぶ |
④音の発生が少ない設備を選ぶ |
⑤風力発電の導入を対象とした補助金を探す |
敷地内の風量を確認する
風力発電を導入したものの、あまり風が吹かず、発電ができなければ意味がありませんし、コストを無駄にしてしまいます。
そのため、導入する前に工場・倉庫の敷地内の風の状況を把握し、風力発電に向いているかを必ず確認しましょう。
建設時に導入する
風力発電の設備を置くにはある程度の広さの敷地が必要です。
そのため、風力発電は建設時に導入するのが望ましいです。
風力発電のスペースを加味した上で計画を行うため、スムーズに導入できます。
一方で、建設が終わってからだと企業がいくら導入したいと思っても、場所の都合上、実現できない場合もあります。
小型の設備なら既存の工場や倉庫でも問題なく導入できるかもしれません。
実績のある施工会社を選ぶ
風力発電の施工実績が豊富な会社を選びましょう。
特に、工場や倉庫など、企業向けに設備を導入した実績があると安心です。
実績が多いと知識やノウハウが豊富なので心強いですし、ニーズに応じて適切なアドバイスをしてもらえます。
公式サイトや資料から業者の導入実績を確認しましょう。
音の発生が少ない設備を選ぶ
風力発電では風車の羽根が回り続けます。
そのため、騒音が発生することも。
近隣対策や、従業員の集中力を保つためにも、風力発電は音の発生が少ないものを選ぶのがおすすめです。
風力発電の導入を対象とした補助金を探す
クリーンなエネルギーを用いた発電方法を導入する企業向けの補助金や助成金がないか調べてみましょう。
国だけでなく、企業がある地方自治体の情報も集めましょう。
ただし、補助金があっても、条件次第では利用できない場合もあります。
風力発電と太陽光発電の違い4つ
この章では同じようにクリーンエネルギーを使用する太陽光発電と風力発電の違いについて簡単に解説します。
導入コスト
どちらの発電方法も、
- 導入する設備の種類
- 求める発電量
- 補助金・助成金の有無
によって具体的な導入費用は変わります。
導入の際は業者に詳細が書かれた見積もりを出してもらいましょう。
複数の業者で相見積もりをして、相場感を掴むことも大切です。
導入条件
風力発電には一定量の風が吹く場所が必要です。
また、大型の設備を選ぶ場合は広い敷地が必要で、周りの環境にも配慮しなければいけません。
太陽光発電は平らな屋根や空き地が必要で、太陽光を集めやすい環境であることも求められます。
発電量の安定性
太陽光発電は太陽が出ない曇りの日や雨の日、また夜間は発電することができません。
一方で、風力発電は天気や時間帯を問いませんが、風が吹かなければ発電することはできません。
メンテナンス
風力発電は回転して摩耗する部品を定期的に交換する必要があります。
太陽光発電の場合、パネルの上に乗ったゴミや落ち葉などを定期的に掃除しなくてはいけません。
また、どちらも法律で定められた定期点検を行います。

まとめ
風力発電は大きな風車の設備をイメージする方も多いですが、工場や倉庫の敷地内でも導入できるような小型のものもあります。
風をエネルギーとするため、無料で発電できますし、環境にも優しいです。
一方で、風が吹かなければ発電できないのはデメリット。
電気代を節約したいとお考えなら、風の有無に左右されない太陽光発電を導入したり、併用するのも一つの方法です。