どんな業界でも資格が存在します。
皆さんは、いくつぐらい資格をお持ちですか?
国家資格から民間資格まで、就職に有利なものから趣味で楽しめるものまで、ありとあらゆるものがありますね。
もちろん、この建設業界にも資格を有する仕事はあり、それを活かして働いている方がたくさん存在します。
今回はそんな資格の中から、「鉄骨製作管理技術者」という資格をご紹介します。
どんな資格で仕事に活かせるのか?
一緒に確認してみましょう!
鉄骨製作管理技術者って何するの?
倉庫や工場など大きな建物を建設する時に欠かせないのが、「鉄骨」です。
まずは、概要を読んでみると・・・
鉄骨製作管理技術者とは、
鉄骨加工業務における、設計図書を受領した後の製作計画の立案から、鋼材の加工、組立、溶接、塗装、発送及び現場における製品引き渡しまで必要な専門知識・基礎知識及び対応能力を認定する資格です。
分からない単語を解説しますね。
- 設計図書・・工事を実施するために必要な書類(図面・設計書など)
- 鋼材・・・鋼鉄を板・棒・管などに加工したもの
- 加工・・・材質検査後に、切断・孔開け・開先加工する
- 組立・・・設計図書などを元に、溶接時の変形などを考慮して鋼材を組み立てる
- 溶接・・・各材質に合わせて、接合部を溶接する
- 塗装・・・施工する場所や環境に合わせて、錆止め塗装をする
実際の現場で鉄筋が用意されるまでに、これだけの作業があります。
つまり、鉄筋製作管理技術者とは、これら一連の業務を管理する人をいいます。
資格を保有するメリットは2つ
鉄骨製作管理技術者の資格は保有することで、2つのメリットがあります。
給料が上がる
資格を保有することで最大のメリットは、やはり給料が上がることですよね。手応えを感じて、やる気も上がります。
就職する企業によって、多少の差はありますが相場として「月収20万円から25万円」と言われます。
さらに、鉄骨製作管理技術者として実務経験を積んだ場合「月収30万円以上」も可能です。
この資格と経験でキャリアアップも夢ではないですね!
就職に有利になる
主な就職先としては、鉄骨製作・金属加工会社・鉄工所などがあります。前述したように、鉄骨の製作から管理までの一連の作業を理解して携わることができるので、企業からの評価は高いです。
また、品質データの改ざんなど世間を騒がせるような事故や事例があるように、企業側の対策として鉄骨製作管理技術者を在籍させることで、クライアントへの信頼を高める企業も少なくありません。
こうした背景から、ニーズは高まっていくことが考えられるので、就職には断然有利な資格ですね!
誰でもチャレンジするべき理由は2つ
どんな資格でもチャレンジする時にネックになることがあります。
それは、「受験資格の条件と難易度」です。
資格を取りたいのに、受験できる条件に当てはまらない、合格率が低く狭き門として諦めた過去はありませんか?
でも、安心してください!
鉄骨製作管理技術者は、誰にでもチャンスがあるというより、関連の仕事をしている人は誰でもチャレンジできる資格です。
オススメする理由は2つあります。
学歴による条件制限がない
受験資格の条件で一番ネックになるのが、「学歴」です。建設業界では若い時から親方について修業をしている人も少なくありません。経験を積んで自信が持てるようになった頃に、キャリアアップを目指そうとしても、この「学歴」が条件に合わず断念することもあるはずです。
でも、鉄骨製作管理技術者は、その学歴に左右されることなく誰でも受験することができます。
クリアしておく条件としては、各学歴に合わせて、実務経験年数があるのでこれをクリアすることです。
受験資格に関しては主催である「一般社団法人全国鐵構工業協会」のホームページで確認してください。
きっと合う条件が見つかるはずですよ!
高い合格率!低い難易度!
実務経験があれば受験勉強をしなくても合格できるとは言いませんが、鉄骨製作管理技術者の試験は合格率が高いです。
様々な資格を紹介している各サイトで確認してみると、どのサイトでも難易度は「優しい」とされています。実際の合格率としては、1級は62%・2級は75%とされています。
受験する過半数の人が合格できるのです!
なぜ、これだけ高い合格率なのか?
もちろん受験される方が勉強しているのは大前提ですが、実は出題形式がマークシートなんです。
今では珍しくないことですが、選択する項目がヒントとなり答えに繋がることもあります!
さらに、出題される問題数は50問で、試験時間は2時間あります。十分に考える時間もあります。
慌てず問題に取り組めることも合格に繋がります。
誰でもチャレンジできる資格は多くはありません。試験会場も全国で9ヶ所あるので、ホームページで確認してくださいね。
鉄骨製作管理技術者は、1級と2級がある
鉄骨製作管理技術者には、1級と2級があります。
どちらも受験資格は誰にでもありますが、試験内容に異なる内容があるので、ご紹介します。
受験資格
各学歴が、1級と2級とでは実務経験年数が違います。
出題分野
各級ともに出題数は50問ですが、各出題分野の問題数が違います。
異なる内容は以上です。
ちなみに受験料は、同額です。
鉄骨製作管理技術者に合格したら2つのことを忘れないで
鉄骨製作管理技術者の試験に見事合格したら、忘れずに行って欲しいことが2つあります。
それは、「合格後の登録と資格更新」です。
合格後の登録について
試験から約1ヶ月後、郵送にて合否の通知が届きます。
ここで合格の通知を受けても、鉄骨製作管理技術者として認められません。必ず、合格者の申請による登録を行ってください。
この登録を行わないと資格取得ができません。
登録に必要なもの
- 登録申請書類(振込証明書を添付)
- 証明写真1枚
- 登録手数料5,400円
その他、注意事項
- 登録申請書類等は、合否通知に同封されます
- 登録申請期間は、合否通知が届いてから約1ヶ月間
- 登録の有効期間は、登録を受けた日より5年間
合格すると達成感から、手続きを怠りがちです。
すぐに申請してください!
資格更新について
試験に合格して、1回の登録で終わりではありません。5年後に必ず資格更新があることを忘れないでください。
さらには、5年ごとに資格更新があり、更新内容も異なります。
更新内容
- 更新1回目・・・更新講習及び修了考査
- 更新2回目・・・更新講習及び論文
- 更新3回目以上・・・更新書類審査(実務経歴書による書類審査又は更新講習受講)
更新手数料
- 更新1回目・2回目・・・21,600円(更新講習料 16,200円・登録料 5,400円)
- 更新3回目以上・・・10,800円(書類審査料 5,400円・登録料 5,400円)
その他、注意事項
- 手数料は各級同額
- 更新3回目以上の場合、更新講習会受講を選択しても手数料は同額
更新内容を見ると、企業がクライアントへの信頼として、鉄骨製作管理技術者を在籍させたいのが分かりますね。
こちらの内容についてもホームページで詳しく説明されいるので、確認してください。
受験で悩んだ時は、先輩を頼る
ここまでの流れで、鉄骨製作管理技術者の試験や資格取得後のことが分かりました。
あと一つ心配なことは、受験対策でしょうか・・・?
調べてみると、受験対策の書籍は少ないです。本屋で購入というよりは直接、出版社に注文することが必要です。また、一般社団法人全国鐵構工業協会が主催する受験対策の講習会が開催されています。この講習会に参加して、勉強方法や試験の傾向と対策を聞いてみるのも良い方法ですね。
それでも、独学で勉強を続けることに不安を感じる人もいるはず。
こんな時に頼りたいのが、すでに資格を保有している先輩です。同じ職場ですし、資格取得を目指す後輩に頼まれれば嫌とは言えません。
先輩が使った参考書を借りるも良し!
試験当日の話を聞くも良し!
何より、この鉄骨製作管理技術者という資格を活かして働く人です。参考書には無い現場で学べることが一番の強みです。
ぜひ、先輩を頼って受験対策をしてください。
まとめ
いかがでしたか?
鉄骨は、工場や倉庫などの建築物に必ず使用されるものです。建設がスタートするまでの準備段階で欠かせない資格として、鉄骨製作管理技術者の存在が重要なことも分かりました。そんな責任ある立場となって、今まで積んできた実務経験が活かせるのも大きなメリットですよね。
今、現場で頑張っている人も、これから建設業界を目指そうとしている人にも、チャレンジしてもらいたい資格の一つに違いありません。