EC物流で倉庫が抱える課題とその解決策をご紹介

EC物流で倉庫が抱える課題とその解決策をご紹介

この記事では次の内容をまとめています。

  • EC物流の特徴
  • EC物流で倉庫が抱える問題点
  • 倉庫が抱える問題点の解決策

EC物流を既に取り入れている、EC物流をこれから取り入れようとしている企業が知っておきたいことを全てまとめました。

目次

需要が増えているEC物流とは

インターネットでの買い物における、注文を受けてから顧客の元に商品を届けるまでの一連の物流プロセスのことを指します。

通販は店頭での買い物と違い、注文してからピッキング、梱包、出荷、配送と様々な工程があります。

近年ではネットショッピングの需要が増えており、通販を取り入れるお店も増えていることから、EC物流をスムーズに行う重要性が増しています。

EC物流で倉庫が抱える問題点9つ

この章ではEC物流について倉庫が抱える課題をまとめました。

1 荷物の量が少なく配送の頻度が高い
2 人手不足
3 複数のサイトを管理しなければいけない
4 在庫管理が複雑
5 作業ミスが増えやすい
6 配送料の値上がり
7 個別の要望に応えなくてはいけない
8 閑散期と繁忙期への対応
9 配送日時を厳守しなければいけない

荷物の量が少なく配送の頻度が高い

EC物流の特徴として、多頻度小口配送が挙げられます。

EC物流は企業対企業のいわゆるBtoBではなく、一般の顧客を相手にするBtoCなので、1回の配送の物量が少ないです。

ここで生じる問題はトラックの積載率が低くなりやすいことです。

これでは配送の効率が悪くなってしまいます。

企業は多頻度小口配送でも積載率を上げる方法を考える必要があります。

人手不足

EC物流は人手不足を引き起こします。

なぜなら、ネットショップでの注文量は年々増えており、それに伴って倉庫での必要な人員も増えているからです。

人手不足に悩む企業は、注文数が増えれば増えるほどこの問題に拍車がかかってしまいます。

業績を伸ばすチャンスにも関わらず、人手不足によって注文数を絞らなければいけないのはかなり勿体無いですよね。

少ない人数でも回せるような対策を練りましょう。

複数のサイトを管理しなければいけない

ECを扱う倉庫では複数のサイトから注文を受けている場合が多いです。

扱うネットショップの数を増やすと注文は入りやすいですが、一方で管理が複雑になることで様々な問題が生じるというデメリットがあります。

例えば、同時に同じ商品の注文が入ることで在庫不足を引き起こしてしまったり、どのサイトからの注文だったか分からなくなったりする可能性があります。

在庫管理が複雑

在庫管理が複雑になりやすいというデメリットもあります。

なぜなら、ECを扱う倉庫では多種多様な商品を扱わなければいけないからです。

また、返品があれば返却されて返品処理されるまでの間は理論在庫と実在庫の数が合わなくなるといった面もあります。

複雑でも正確に管理することを目指しましょう。

作業ミスが増えやすい

ECの注文は数が多く、配送先も多岐に渡るため、作業ミスが発生しやすいのが課題です。

例えば、以下のようなミスが考えられます。

  • ピッキングでリストとは違うものを取る
  • 検品でピッキングの間違いを見落とす
  • 宛先を間違える

こうしたミスが発生すると、返品対応に時間を割かなくてはいけなくなります。

また、返品に必要な送料なども負担しなくてはいけません。

顧客から信用を失うというデメリットもあります。

さらに、宛先違いは顧客の個人情報を流出させる可能性があり、とても危険です。

配送料の値上がり

配送料の増加は倉庫にとって悩ましい問題です。

こうした状況の背景には配達量は増えているもののドライバーが少ないという、物流の厳しい事情があります。

なかなかすぐには改善するものではないので、値上げにどう対応していくか考えなくてはいけません。

個別の要望に応えなくてはいけない

EC物流の特徴として、個別に顧客の要望に応えなくてはいけないというものがあります。

ギフトラッピングが1つの例です。

プレゼント用に商品を購入した人がギフトラッピングを希望すれば梱包の前にラッピング作業をしなければいけません。

また、急な注文キャンセルや返品などへの対応なども個別にしなくてはいけません。

EC物流では注文された商品を発送するという通常の業務に加えてこのような業務もこなさなくてはいけません。

閑散期と繁忙期への対応

倉庫では扱う商品によって閑散期と繁忙期が発生することがあります。

特に繁忙期では注文量が通常よりも増えるので、人員を増やすなどの対策を考える必要があります。

例えば、クリスマスやお歳暮の時期などは注文数が増えやすい時期で、繁忙期を予測しやすいです。

また、ある商品がブームになり急に注文の波が来るというケースも考えられます。

こうした繁忙期をどのように乗り越えるのか、前もって策を考えておくのが望ましいです。

配送日時を厳守しなければいけない

ネットショップの注文では配送日を厳守しなくてはいけません。

特にスピード配送の場合はその重要性がとても高いです。

翌日に届く、場合によってはその日の夕方に届くことをウリにしているネットショップもありますよね。

誰かにプレゼントする、翌日使うから絶対にこの日に届いて欲しいなど、様々な背景があるので、こうした期日は絶対に守らなくてはいけません。

そのためには、スムーズに商品を発送できる仕組みを整える必要があります。

EC物流で倉庫が抱える問題点の解決策8つ

この章ではEC物流で倉庫が抱える課題の解決策をまとめました。

1 WMSを取り入れる
2 ハンディターミナルを取り入れる
3 一連のプロセスを見直す
4 マニュアルを作る
5 ロボットを活用する
6 AIを活用する
7 共同配送を行う
8 アウトソーシングを利用する

WMSを取り入れる

WMSとは倉庫管理システムのことで、入荷、ピッキング、出荷などの倉庫業務を一括管理します。

WMSを導入すれば複雑になりやすいEC物流の在庫も簡単に管理できます。

また、納品書を自動で作成したり、ピッキングリストにはロケーションを表示してミスが発生しにくいようにしたりと、様々なメリットがあります。

ハンディターミナルを取り入れる

ハンディターミナルとはバーコードをスキャンすることで情報を読み取れる機械です。

今まで手動で行っていた作業をハンディで行うようにすれば、ミスが発生する確率を下げられます。

また、バーコードを読み取るだけで入出荷作業ができるので、作業効率を高められるというメリットもあります。

使い方が単純なので、派遣や新人でもすぐに作業を覚えられる点も魅力的です。

倉庫作業でハンディターミナルを導入するメリット・デメリット

 

一連のプロセスを見直す

発送までのプロセスの中で改善できるところはないか改めて見直しましょう。

EC物流では注文から発送までの流れをスムーズに行うことが非常に重要です。

日常の業務の中で改善点を見つけるのは難しいですが、「何か問題はないか?」という新たな視点で探してみましょう。

マニュアルを作る

日々の業務をマニュアル化しましょう。

マニュアル化の目的は誰でも一定の質でその業務をできるようにすることです。

1つの業務を一部の人だけが担当していると、それ以外の人が業務に当たった際にミスが発生しやすくなります。

また、マニュアル化していれば新人でもベテランと変わらない質で作業ができるというメリットもあります。

工場の作業効率を上げるマニュアルを作るポイント

 

ロボットを活用する

人手不足や作業量の増加にはロボットを活用するという解決策があります。

ピッキングを手伝うロボットや、自動搬送ロボットなどを活用すれば倉庫作業を効率化できます。

導入時に多額のコストはかかりますが、人間と違って24時間稼働することができますし、倉庫が抱える課題を解決することもできます。

倉庫の省人化を進める自動搬送ロボット(AGV)について徹底解説

 

AIを活用する

AIも倉庫の課題を解決する鍵になります。

例えば、AIによる配車管理システムは配車やルート選定を最適化するため、EC物流の課題の1つであるトラックの積載率の低下を解決します。

また、AIが庫内の作業状況を監視し、効率低下を招いている要因を見つけるということもできます。

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共同配送を行う

共同配送とは異なる企業や事業所がそれぞれの荷物を持ち寄り、同じ地域に配達する荷物ごとに仕分け、1つのトラックに積んで配送するというものです。

トラックの積載率を上げるのに役立つ方法です。

アウトソーシングを利用する

アウトソーシングとは倉庫業務の一部、もしくは全てを他社に委託することです。

アウトソーシングによって対応できる注文の量を増やせば、繁忙期が来ても注文を問題なく捌けますし、人材不足も解決できます。

また、売上を伸ばすことにも繋がります。

倉庫作業をアウトソーシングするメリットと注意点

 

まとめ

ネットショップの利用者や注文数は増加傾向にあるため、倉庫ではEC物流をスムーズに行うことが求められます。

人手不足、作業ミス、繁忙期への対応など、企業によって抱える問題は様々でしょう。

今回ご紹介した解決策を参考にしてEC物流における課題を解決し、業績アップを目指しましょう。

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