日本は災害が多い国として知られています。夏から秋にかけては台風がやってきて、人々の生活に大きな影響をもたらします。
最近は上陸前から歴代最強クラスの台風がやってくると報道されることもあり、年々台風の威力が増している印象を受けますよね。
工場や倉庫は台風が来ると交通機関がストップすることで社員が出勤できなくなったり、建物が破損したりと様々な被害を受けます。
そのため、いざ台風が来てからあたふたしないよう、事前に準備をしておくことが大切です。
今回は工場や倉庫がすべき台風対策をご紹介していきます。
対策方法によっては完了までに時間がかかるものもあるので、台風のシーズンが来る前から早めに対策を始めましょう。
台風が日本に来るシーズン
台風といえば夏から秋にかけて来るイメージをお持ちの方が多いと思いますが、実は年中どこかで発生しています。
ただし、日本に上陸するのは大体6〜10月頃で、特に8〜9月が多いと言われています。
そのため、台風対策をするなら夏に入る前から行うのが理想的です。
製品がダメになる。工場・倉庫が台風によって受ける被害6つ
台風が来ると様々な被害が生じ、工場や倉庫の経営に大きな影響を与えます。
適切な対策をするためにはそもそもどのような被害が考えられるかを知っておくことが大切です。
そこで、台風によって生じる工場・倉庫の具体的な被害をまとめました。
雨漏り
台風が上陸すると激しい雨が降ります。テレビでは水量が増した川の様子をよく報じていますよね。
工場や倉庫の場合、心配なのが雨漏りです。屋根材の一部が錆びて割れてできた隙間から雨水が入り、建物内に漏れる恐れがあります。
すると、製品が濡れて使えなくなったり、機械が故障したりする可能性があります。
浸水
雨水によって生じるもう1つの被害が水害です。
普通は雨が降っても自然に排水し、翌日にはほぼ元の状態に戻りますが、台風がもたらす雨は普段の雨量よりも多いため、排水機能が追いつかず、街に水が溜まってしまうことがあります。
すると、建物内に水が侵入し、製品が浸かってしまったり、資材がダメになったりと様々な被害をもたらします。
建物が破損する
風が強い場合は建物が破損する危険性があります。例えば、屋根や外壁が剥がれることがあります。
すると、より雨水が侵入しやすくなり、被害は大きくなります。
ひどい場合は屋根が全て剥がれてどこかに飛んでいくということもあり得ます。
この場合、建物に被害が出るだけでなく、飛んだ屋根材が建物や人にぶつかる恐れもあり、非常に危険です。
物が飛んでくる
工場や建物は無事でも、外部から物が飛んできて破損するリスクもあります。
例えば、民家に置かれている植木鉢や近くにある工場の屋根材など色々な物が飛んでくることが考えられます。
このケースは自分達がいくら対策をしていても防ぐことができないので厄介です。
停電
台風が来たときには停電も発生しやすいです。
工場の場合は停電すると機械を動かせなくなるため、生産活動が止まってしまいます。また、灯りもないため、建物内を移動するのにも危険が伴います。
電気が復旧したときには急に機械が動き出すことがあり、近くに居ると危険なので気をつけなくてはいけません。
社員が出勤できない
予報の時点で台風の勢力が強いと判断される場合、電車やバスなどの公共交通機関が計画運休を発表することがあります。
また、台風が来た当日になって突然運休になることもあります。
この場合、電車やバスを使って通勤している社員は出社できなくなり、工場や倉庫が思うように稼働できなくなってしまいます。
工場・倉庫がすべき台風対策11選
雨漏り、破損、浸水と色々な被害をもたらす台風だからこそ、前もって対策をしておくことが欠かせません。
これから工場や倉庫がすべき台風対策をご紹介してくので、ぜひシーズンが来る前に取り入れてください。
屋根のメンテナンスをする
屋根が古く、強度が低い場合、勢力の強い台風が来ると吹き飛んでしまう恐れがあります。
そこで、メンテナンスをして強度を上げましょう。カバー工事や葺き替えをして屋根を新しくすると頑丈になります。
屋根は10〜20年保つものも多いので、まだ新しくする必要はないという工場もあると思います。
しかし、錆が生じていたり、固定が緩んでいたりすると雨漏りに繋がることもあるので、業者に点検してもらい、必要があれば修繕してもらいましょう。
屋根のメンテナンスについてはこちらで詳しくまとめています。
外壁のメンテナンスをする
外壁は穴が空いていたり、ひび割れが生じていたりするとそこから雨水が侵入する原因になります。
そこで、屋根と一緒に外壁のメンテナンスも行い、横殴りの雨が降っても建物を守れるように備えておきましょう。
外壁のメンテナンスについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
窓やシャッターの強度を上げる
外から物が飛んできたときに被害を小さくするには窓やシャッターの強度を上げるのが有効です。
物がぶつかったことで窓が破損すればそこから雨がどんどん入ってきて被害が大きくなってしまうので、できるだけそういった事態にならないように対策が必要です。
ただし、既にある窓やシャッターを全て強度が高いものに変えるのはコストがかかります。
もし、これから工場を建てる予定なら、頑丈なシャッターや窓を選ぶのがおすすめです。
浸水を防止する
浸水を防ぐためには土嚢を置いたり、シャッターで防いだりするのが効果的です。いつ台風が来てもいいように土嚢を敷地内に準備しておきましょう。
ただし、備えていても水が建物内に入ってくることがあるので、濡れると困る製品などはできるだけ高い位置に保管しておき、二重の対策をすると安心です。
雨樋の点検
台風接近時には雨樋のチェックも欠かせません。
落ち葉やゴミが詰まっていたり、途中で外れていたりすると、大量の雨水を排水することができず、地面に落ちた雨水が跳ね返って外壁を汚したり、浸水の原因となったりすることがあります。
そこで、適切に排水できるようになっているか点検し、必要があれば業者に修理してもらいましょう。
ハザードマップを確認する
自治体によってはハザードマップを作成し、災害時に大きな被害が出やすいところを予測しています。
浸水の起こりやすさなども分かるので、工場や倉庫がある場所が水害が起こりやすいと予測されていれば、浸水対策に力を入れましょう。
また、ハザードマップでは避難所に関する案内も載っていることが多いので、いざというときにはどこに逃げれば良いのかを確認し、社内で共有しましょう。
休業になる条件を決める
台風が近づいているとき、社員が気になるのが休業になるのかどうかです。
休業について明確なルールや指示がなければ、大雨の中出勤したものの休業になったといった事態が起こる可能性があり、社員に不信感を抱かせてしまいます。
そこで、台風が来たときの出勤のルールを決めて周知すると安心です。
例えば、学校によっては朝6時までに大雨警報が発令されれば休校にするといった決まりを作り、学校からお知らせする前に生徒が学校に行くか行かないかを判断できるようにしているところもあります。
もし、明確なルールを作らない場合でも、普段通り稼働するか休業するかは早く決断し、社員に知らせるようにしましょう。
連絡網の確認
台風接近時の連絡をどのように行うかも改めて確認しておきましょう。
一昔前までは緊急時の連絡は連絡網を使って行うことが多かったと思いますが、今はメールやLINEを使って一斉に配信することができます。
そこで、どの媒体で知らせるのかを改めて周知して、当日はスムーズに連絡が行き渡るようにしましょう。
緊急時のマニュアルを用意する
浸水が生じたり、建物の一部が破損したりと、災害時にはどんなイレギュラーな事態が起こるか分かりません。
緊急時に冷静に対処するためにはあらかじめマニュアルを作っておくのが効果的です。
台風が来たときに起こると考えられる状況をリストアップし、それぞれにどう対応すべきかまとめて、いつでも誰でも確認できるようにしておきましょう。
防災グッズを準備する
工場を稼働させたものの、台風の勢力が強くなり、社員の帰宅が困難になることもあるでしょう。
そんなときのために防災グッズを用意しておきましょう。
水、食べ物、ラジオ、ライトなど最低限必要なものがあれば工場や倉庫内でも一晩過ごすことができます。
台風の情報を仕入れる
台風が来たときのあらゆる問題にスムーズに対処するためには台風の情報を仕入れることが欠かせません。
台風の勢力はもちろん、公共交通機関の運休など社員に関わる情報を仕入れればどう対処すべきかが見えてきます。
早いうちから情報を収集し、早い段階で決断をすれば社員は安心できます。
まとめ
台風が来ると雨漏りや浸水など色々な被害をもたらします。
そこで、少しでも被害を小さくするために台風のシーズンが来る前に屋根や外壁のメンテナンス、土嚢の準備といった対策をしておきましょう。
また、台風は建物だけでなく、社員にも影響を与えます。
休業ルールの周知や連絡網の確認などをあらかじめ行っておいて、当日に社員が落ち着いて行動できるようにしてあげましょう。