2022年に入ってから、大きな自然災害が続いています。
津波、地震など新しい年を迎えて3ヶ月と短い期間に、これほど自然災害を体験するとは誰も予想できなかったのではないでしょうか?
そんな中でも、不安が消えないのは東北の地震です。
先日も深夜になるころに、震度7の地震が発生しました。
被害に遭われた方がに、お見舞い申し上げます。
今回の地震は夜でしたが、地震が昼間に発生した場合、建設現場で作業をしていたら、考えるだけでも怖いです。
自然を相手に、人間は無力です。しかし、無力であっても備えて、実際にどういう対応をしたらいいのか準備しておくことはできます。
今回は、建設現場で地震が起きた時にすること、備えておくことを中心にご紹介します。
建設現場で地震が発生した時にすること
まずは、建設現場において地震が発生した時に、どんなことを心がけるのか、そして現場に止まるのか避難するのか、こうした大まかな流れを考えてみましょう。
冷静な判断力が必要
建設現場には、多くの職人が働いています。施工管理に合わせて常に作業している職人が違うこともあります。現場の規模にもよりますが、多くの人たちをまとめる立場にある人は、冷静な判断を心がけてください。
大きな揺れを感じる時こそ、不安になり焦ってしまいます。げんばの人たちの命を守るために、冷静さを失わないようにしてください。
情報の確保をする
地震が発生した場合、情報を得るための手段を確保しましょう。
建設現場といっても様々です。都心、海近く、山の中、建物以外の橋や道路を建設する現場かもしれません。どの現場であっても頼りになる情報を得る手段は「ラジオ」です。便利なネット回線より、ラジオの方が的確に情報を確保することができます。
ラジオの良いところは、番組途中でも緊急性のある情報を優先して繰り返し伝えてくれることです。そして、地震の震源地などの情報に加え、その地域においての必要な情報を伝えれくれることです。
テレビの場合は、全国区であれば同じ情報を繰り返すだけであったり、震源地の情報を中心に伝えられます。とても大事な情報ではありますが、建設現場においては土地の被害状況、天候、避難が必要なのか、現地の情報がいち早く欲しいです。
現場には必ずラジオを用意して、使える状態なのかを確認しておいてください。
施工担当公所の指示に従う
ラジオで情報を確保している、現場への影響の有無、避難の有無など建設現場において、これらを決めるのは「施工担当公所」です。
まず、現場での作業を続けるのか、中止するのかは、施工担当公所が決めます。地震が発生した直後は作業の手が止まります。そのまま続けるかは、判断待ちになります。その間に、身の危険を感じる時には、必ず、作業をやめて安全な場所にいてください。
現場監督であれば、その日現場にいる職人の点呼をとるなどしてください。
施工担当公所とのやりとりは、記録を残すためにも電子メールでやりとりをオススメします。しかし、それができない状況の場合には、臨機応変に対応して現場の様子を伝えて、作業の中止、再開の指示を待ってください。
被害状況を把握して復旧する
地震の揺れが落ち着いたら、施工担当公所に連絡するためにも、被害状況を確認してください。この場合、建設中の建物や橋などの被害だけでなく、建設現場全体についての報告が必要となります。
・工事の看板
・防護柵
他にも現場には建材があります。保有している建材については使えるのか非常に重要なことです。こちらについても施工担当公所への報告が義務があります。
実際に復旧については2パターンに分かれます。
まず、施工担当公所より作業の中止指示が出ているかです。
中止の指示が出ている場合には、現場の被害状況から施工担当公所が判断して、作業再開の指示が出たところから、復旧することができます。
施工担当公所より現場での作業に対して中止されていない時には、現場での作業は継続することができます。そのため、再開するということはなく、普段通りに作業をすることができます。
避難もありえる
近年の地震については、地震だけにとどまらず津波発生の原因となっています。
先日の東北地震においても津波の危険性があり、広範囲に渡って津波注意報が発生していました。
誰もがその恐ろしさを知っています。
建設現場の場合、現場を離れていいのか現場のスタッフで決めることはできません。
避難指示も施工担当公所からの連絡を待ちます。
待っていて逃げ遅れてしまわないよう、避難のタイミングは待つだけではないことを覚えておきましょう。
どこにいても地震は怖いものです。
現場の職人たちを束ねる立場にあれば、人の命を預かるプレッシャーに押しつぶされそうになります。
判断のタイミングをあとで問われるような時もありますが、安全、命を守ることに集中して、助け合いながら避難してください。
建設現場での備えについて
最近では事前災害の多さに、避難マップ、待ち合わせ場所、非常袋などを用意したり、確認するようになりました。
こうした家庭レベルの用意と同じように建設現場にも、用意してください。
・ラジオ
・救急用品
・水
・食料品
こうした物から、
・連絡先
・避難マップ
などを、しっかり確認しておきましょう。
建設現場、建設会社において避難訓練を実施しているはずです。いざという時のために、避難するときのルートの確認、危険な場所の有無、怪我人を搬送するときに必要なもの、数えたらキリがありませんが準備しておいて問題はありません。
短い期間の建設現場であっても、こうした部分はおろそかにしないようにしてください。
高所での作業について
建設現場において最も危険なのは「高所での作業」です。
普段は慣れた足場でも、狭く感じたり、慌てて滑ってしまうことも考えられます。
また、高所で作業で落下を防ぐための安全帯で、吊るされた状態になることも考えられます。
高所で作業する職人たちを守れるように対策をしてください。
実際に高所で作業する職人に聞いてみると、震度3でも十分に揺れを感じて怖いといいます。
そうなった場合、震度7のような地震の場合は、恐怖でしかありません。
高さ、風、倒壊など、多くの恐怖から職人たちを守れるように備えておきましょう。
デジタルの力を取り入れる
最近ではドローンが現場を飛ぶことも、不思議なことではなくなりました。人間を足を踏み入れるのに大変な場所でも、瞬時に対応ができて測定をしてくれます。
ドローンの活躍によって、現場が変わってきています。これらを地震や自然災害に活かすことも、決して難しいことではありません。
地形、地層、土砂崩れの心配、津波の心配など、活用次第ではありますが、専門家に相談しておくのも一つの方法です。
まとめ
今回は、建設現場で地震が発生した時に困らないように、対策、判断ついてのご紹介をしました。
日本では、高度経済成長期に建てられた建物が多く存在します。当時の耐震対策では倒壊の危険を逃れることはできません。そのために、補修作業が進められていますし、一部では解体することが決まり、悲しく思う方々もいらっしゃいます。
しかし、それらも命あってのことです。今年も大きな災害が続く可能性はあります。いまいちど、自分の働く現場について考えておきましょう。
また、地域や会社規模によっては、災害現場への応援要請があります。そんな時には、次の地震発生の恐怖との戦いにもなるので、現地のスタッフに確認しながら作業にあたってください。