この記事では次の内容をまとめています。
- システム建築の注意点
- システム建築で失敗しない方法
システム建築で工場や倉庫を建てようと考えている方が知っておくべきことを全てまとめました。
システム建築で工場・倉庫を建てるときの注意点9選
この章ではシステム建築で工場や倉庫を建てようと考えている方が気をつけるべきポイントをまとめました。
1 | デザインの自由度が低い |
2 | 構造に対する要望が全て通るわけではない |
3 | テント倉庫やプレハブ建築よりも価格が高い |
4 | テント倉庫やプレハブ建築よりも工期が長い |
5 | 基礎工事や地盤改良工事に費用がかかる |
6 | メーカーによって商品の特徴が異なる |
7 | システム建築を導入していない建設会社もある |
8 | 安さだけで建設会社を決めない |
9 | 増設が難しいことも |
デザインの自由度が低い
システム建築はデザインの自由度が低いというデメリットがあります。
これはシステム建築では設計もシステム化されているためで、外観は比較的シンプルなものが多いです。
もしも外観にこだわりたいという場合は、デザインの自由度が高い在来工法の方が合っているかもしれません。
工場や倉庫が外観のデザインにこだわるメリットはこちらの記事でご紹介しています。
構造に対する要望が全て通るわけではない
システム建築ではCADシステムを使うため、すぐに要望を反映させながら設計を進めることができます。
ただし、システム化されていることから、対応できる範囲にはどうしても限りがあります。
例えば、建物の一部分に2階部分を作ったり、特殊な地形に合わせて構造を作ったりすることは難しいこともあります。
テント倉庫やプレハブ建築よりも価格が高い
テント倉庫やプレハブ建築よりも建設コストは高くなりがちです。
そのため、コストを出来るだけ安く済ませたいという場合にはテント倉庫やプレハブ建築を選んだ方がいいかもしれません。
ただし、システム建築には「耐久性が高い」「断熱性が高い」といったメリットがあります。
ちなみに、システム建築は在来工法よりは安く済みます。
テント倉庫やプレハブ建築よりも工期が長い
システム建築にはテント倉庫やプレハブ建築に比べて工期が長くなりやすいという特徴があります。
そのため、出来るだけ早く工場や倉庫を稼働させたい場合は他の工法を選んだ方がいいかもしれません。
ただし、システム建築は在来工法よりは工期が短いです。
例えば、弊社が導入している「yess建築」というシステム建築商品では、ボルト接合を全て標準化したり、部材点数を出来るだけ減らすといった工夫をしてるため、在来よりも工期を20%ほど短縮できます。
基礎工事や地盤改良工事に費用がかかる
システム建築はテント倉庫やプレハブ建築に比べると複雑な構造になっていて、使われる部材の数も多いのが一般的です。
そのため、建物全体の重量も重く、場合によっては基礎工事や地盤改良工事にかかる費用が高くなることがあります。
システム建築の建設コストが高くなりやすい理由の1つです。
メーカーによって商品の特徴が異なる
システム建築のシステムの内容はどの建設会社でも同じというわけではありません。
これは、システム建築メーカーがそれぞれシステムを開発して、取引している建設会社に提供しているためです。
そのため、建設会社がどのメーカーのシステム建築を導入しているかによって、使用できるシステムは変わります。
システム建築を導入していない建設会社もある
システム建築は全ての建設会社が導入しているわけではありません。
システム建築を導入するにはメーカーと提携する必要があります。
そのため、依頼したい建設会社があっても、そこがシステム建築に対応していなければ、システム建築で工場や倉庫を建てることはできません。
システム建築メーカーのサイトから加盟店の一覧を見ることができるので、近くに対応している企業があるか調べてみましょう。
愛知県でシステム建築に対応している主な建設会社をまとめた記事もあるので、ぜひご覧ください。
安さだけで建設会社を決めない
工場や倉庫を建てるとき、費用は非常に気になるポイントだと思いますが、安さだけで決めないようにしましょう。
なぜなら、建設コストが安い企業には落とし穴があることもあるからです。
例えば、価格が安い分、サポートが薄く、トラブル時にまともに対応してもらえない可能性があります。
また、安い代わりに技術レベルの低い下請け業者に依頼していて、建物の品質が悪くなることも考えられます。
安易に安いからという理由だけで建設会社を決めるのはやめましょう。
増設が難しいことも
システム建築は基本的には併設や増設がしやすいと言われています。
ただし、場合によっては増設できないケースもあります。
例えば、元々1階建てだった建物に2階部分を増設したい場合、重さに耐えられる強度がなければ増設はできません。
システム建築での工場・倉庫建設で失敗しない方法7つ
この章ではシステム建築で工場や倉庫を建てる際に失敗しない方法をご紹介します。
1 | システム建築メーカーの商品の特徴を知る |
2 | 見学会に参加する |
3 | 疑問点は遠慮せずに伝える |
4 | 要望の変更はできるだけ早く伝える |
5 | 理想の工場・倉庫像を明確にする |
6 | 工場・倉庫の建設実績が豊富な会社を選ぶ |
7 | サポート内容を確認する |
システム建築メーカーの商品の特徴を知る
システム建築で工場や倉庫を建てるなら、各メーカーの商品の特徴を知りましょう。
先ほどもご説明したように、システム建築ならどれも同じというわけではなく、メーカーごとにシステムの内容は異なり、できることがそれぞれ違うからです。
例えば、柱のない空間を最大60m作れるメーカーもあれば、最大40mのところもあります。
さらに、メーカーの中にも特徴が異なる商品がいくつか用意されていることもあります。
理想に合った建物を作れそうなメーカーと提携している建設会社を選びましょう。
見学会に参加する
建設会社の中には工場や倉庫を建てようと考えている人向けの見学会を開催しているところもあります。
システム建築はあらゆる部分がシステム化されているため、同じシステムで作られた工場や倉庫を見るとかなりイメージがしやすくなります。
見学会ではメーカーや建設会社の担当者と話す機会があるので、参考になる情報を得られるでしょう。
疑問点は遠慮せずに伝える
工場・倉庫建設で失敗しないためには疑問点を遠慮せずに伝えることが欠かせません。
なぜなら、疑問や不明点をそのままにしてしまうと、不安を抱えたまま建設が進むことになりますし、後に大きなトラブルに繋がる恐れもあるからです。
例えば、「地盤調査で改良工事が必要だと判明した場合、どれくらい期間が追加でかかるのか」「近隣対策は十分に行われるのか」など、聞きたいことがあればその場で聞いてすぐに解消しましょう。
要望の変更はできるだけ早く伝える
システム建築では変更点があっても、すぐに修正しやすいのがメリットです。
例えば、設計段階でレイアウトに変更があっても、CADを使っているため、すぐに変更点を反映できます。
ただし、当然、変更できるタイミングには限度があります。
要望の変更があったとき、「また今度会ったときに伝えよう」と思って後回しにすると、そのときには既に変更できない段階になっている可能性もあります。
そこで、「システム建築は柔軟に予定を変更できるから」と油断せず、変更点がある場合はできるだけ早く伝えるようにしましょう。
理想の工場・倉庫像を明確にする
満足のいく工場・倉庫建設をするにはあらかじめ理想の建物像を明確にしておきましょう。
なぜなら、新しい工場や倉庫に求めることがはっきりしていれば、それに合うシステム建築メーカーや建設会社を選びやすくなるからです。
「できるだけ広い空間を作りたい」「断熱性の高い外壁にしたい」など、どんな建物にしたいか社内で話し合いましょう。
工場・倉庫の建設実績が豊富な会社を選ぶ
建設会社を選ぶとき、工場や倉庫の建設実績が豊富なところを選びましょう。
なぜなら、生産性の上がるレイアウトの作り方やなど、工場や倉庫を建てる上で重要なポイントを知っているからです。
システム建築を扱っている建設会社の中には実績があまり多くなかったり、実績があっても、事務所や店舗など、別の業種の建物を中心に建てているというケースもあります。
建設会社を選ぶときは実績もよく確認しましょう。
サポート内容を確認する
どんなサポートがついているかを契約前に確認しましょう。
建設会社によってサポート内容は異なります。
例えば、設計や施工だけでなく、完成後のアフターメンテナンスや必要書類の申請などのサポートもしている会社もあります。
サポートが充実している分、価格は高くなるかもしれませんが、依頼主の負担が減ったり、安心して建設に当たれるというメリットはあります。
まとめ
システム建築での工場・倉庫建設では気をつけなければいけない点がいくつかあります。
工場や倉庫は何十年も使用するものなので、できるだけ建設に後悔は残したくないですよね。
そこで、今回ご紹介した点に気をつけながら建設を進めましょう。
1 | デザインの自由度が低い |
2 | 構造に対する要望が全て通るわけではない |
3 | テント倉庫やプレハブ建築よりも価格が高い |
4 | テント倉庫やプレハブ建築よりも工期が長い |
5 | 基礎工事や地盤改良工事に費用がかかる |
6 | メーカーによって商品の特徴が異なる |
7 | システム建築を導入していない建設会社もある |
8 | 安さだけで建設会社を決めない |
9 | 増設が難しいことも |