・化粧品工場に求められること
・化粧品工場建設のポイント
・化粧品GMPとは
化粧品工場を建設しようと考えている方が知っておくべきことを全てまとめました。
化粧品工場に求められること3つ
この章では化粧品工場に求められることをご紹介します。
1.製品の品質の高さ
2.生産性の高さ
3.無駄のない動線
製品の品質の高さ
まず大切なのが製品の品質の高さです。
化粧品といえば直接肌に触れるもの。
だからこそ安全性の高い製品を安定して生産できる体制が整っていることが大前提として必要です。
品質を高めるには性能の良い設備を導入するのはもちろんのこと、建設の段階で不良品が発生しないような構造を作る必要があります。
そのため、化粧品工場を建てるなら、打ち合わせの段階から稼働後のことを見据えて計画的にプロジェクトを進める必要があります。
生産性の高さ
工場ならやはり生産性も欠かせないポイントです。
生産性が高ければ高いほど、1日に生産できる量が増え、業績アップに繋がります。
ただし、生産効率を求めるあまり、品質が疎かになっては意味がありません。
品質と生産性を両立できるような仕組みづくりが求められます。
無駄のない動線
工場建設では動線のことも考えながらプロジェクトを進める必要があります。
なぜなら、動線は工場の完成後ではなかなか修正しにくい部分だからです。
どうしたら動線が最適になるかを検討した上で、全体の構造や設備の配置を決めれば、最初から最適化された導線で稼働することができます。
そのためには工場の建設実績が豊富で、物流動線や人導線について提案できる会社に依頼することが大切です。
化粧品工場を建てるときのポイント7つ
この章では化粧品工場を建てる際に押さえるべきポイントをご紹介します。
1.ゾーニング
2.換気設備
3.防虫対策
4.ネズミ対策
5.壁や床の材質
6.清掃効率
7.休憩室や食堂
ゾーニング
ゾーニングとは簡単に言うと汚染されている区域と清潔な区域を分けることです。
埃、虫、微生物、ウイルスといったものの混入を防ぐために行われます。
ゾーニングを徹底するためには設計の段階でそれぞれのエリアの特徴を把握し、適切にレイアウトを配置する必要があります。
また、エリアを仕切る方法も決めなくてはいけません。
・クリーンルームとして独立した部屋にする
・普通の壁で仕切る
・ドアで仕切る
・ビニールカーテンで区切る
など、様々な方法があります。
換気設備
換気設備は安全に製造できる環境を構築するために不可欠です。
中毒対策やカビ対策に役立ちます。
建物全体の換気ができるよう、レイアウトを考慮しつつ、適切な場所に設置することが大切です。
ちなみに換気には
・局所換気
・プッシュプル換気
・置換換気
・希釈換気
と様々な種類があり、環境によって使い分ける必要があります。
換気設備についてはこちらの記事でも解説しておりますので、ぜひ一緒にご覧ください。
防虫対策
製品に混入する異物としてよく見られるのが虫です。
皆さんもニュースになっているのを見たことがあると思います。
虫が混入しやすい理由としては小さくて侵入しやすく、繁殖力が高いことが挙げられます。
防虫対策をするには、やはり工場内に侵入させないことが大切です。
そこで、虫が発生しにくい立地を選んだり、出入り口にカーテンをつけたりと建設段階からできる対策をしておくのが望ましいです。
ネズミ対策
工場内に侵入するものとしてはネズミも深刻です。
ネズミは不衛生な環境を作り出したり、壁やケーブルを齧ったりするため、とても厄介です。
対処法としては粘着シートを設置したり、超音波を出したり、忌避剤を撒いたりと様々な方法があります。
こちらの記事でネズミ対策について詳しくご紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。
壁や床の材質
壁材や床材の選択も慎重に行う必要があります。
なぜなら、劣化した際にヒビが入って細かい粉が発生するような材質のものを選んでしまうと、異物混入の原因となってしまうからです。
これではいくら虫やネズミが屋内に入らないように対策をしても意味がありません。
壁や床を建設後に入れ替えるということはなかなか難しいですし、工事をするにしても、その間は工場の稼働を止めなくてはいけないため、後から対応に追われないように建設時から対策を行うのがベストです。
建設から年数が経っても劣化がひどくならないようなものを選びましょう。
清掃効率
掃除のしやすい環境を作りましょう。
なぜなら、掃除は化粧品工場の清潔さを保つ基本となるからです。
例えば、床と壁の境目は垂直ではなく、丸みを帯びた形にすれば、ゴミや埃を掃除で取り除きやすくなりますし、異物混入を防ぐことにも繋がります。
工場が完成した後は、従業員に対して衛生状態を良く保てるような掃除の仕方を徹底的に教えることで、さらに良い状態を保てるでしょう。
休憩室や食堂
化粧品工場では休憩室や食堂も重要です。
ここでしっかり休むことで職場に戻ったときに良いパフォーマンスで働くことができるためです。
例えば、観葉植物を置いてリラックス効果を狙ったり、1人席を作って落ち着いて休めるようにしたりと、できる工夫はたくさんあります。
化粧品工場の建設では製造現場に意識が向きがちですが、他の設備についてもきちんと検討しましょう。
化粧品GMPとは
GMPは” Good Manufacturing Practice”の略で、製造管理や品質管理の基準という意味です。
化粧品GMPは日本化粧品工業連合会が業界の自主基準として採用した国際規格のISO22716のことです。
あくまで自主基準なので法的拘束力はありませんが、化粧品GMP認証を受けることで様々なメリットが生まれます。
化粧品GMPの認証を取得するには専門の認証機関が実施する審査に通る必要があります。
化粧品GMPを取得するメリット3つ
この章では企業が化粧品GMPを取得するメリットをご紹介します。
1.信頼性が上がる
2.クレーム防止になる
3.競合対策になる
信頼性が上がる
まず、企業の信頼性が上がるというメリットがあります。
化粧品GMPは製造管理や品質管理の基準なので、認証を取得すると取引先や顧客に対して品質の高さをアピールできます。
クレーム防止になる
品質管理や製造管理が行き届くことで不良品が発生する確率を減らすことができ、クレーム防止になります。
化粧品はその性質上、トラブルが発生し、製品の回収が起こると、たった一度の出来事でも信頼性が大きく低下します。
すると、回収に時間もお金もかかる上に今後の業績にも影響を与えます。
競合対策になる
化粧品GMP認証を受けることで競合との差別化を図れるという側面もあります。
また、化粧品GMP(ISO22716)は国際規格なので、海外へ輸出して事業展開したい場合にも有利に働きます。
化粧品工場建設での建設会社選びのポイント3つ
この章では化粧品工場の建設を依頼する業者選びでのポイントをご紹介します。
1.工場の建設実績がある会社を選ぶ
2.建設費の安さだけで選ばない
3.親身になって対応する会社を選ぶ
工場の建設実績がある会社を選ぶ
化粧品工場を建設したいなら工場の建設実績が豊富な建設会社を選びましょう。
建設会社でも住宅の建設が中心で、工場の建設経験はほぼない業者もあります。
住宅と工場では建設時のポイントが大きく異なるため、実績がなければ満足のいく工場建設ができない可能性もあります。
一方で、工場の建設実績が豊富な会社なら、生産効率の良い動線を考えたり、使いやすい工場にするための提案をしてもらえます。
建設費の安さだけで選ばない
建設会社を選ぶときは価格の安さだけで決めないようにしましょう。
建設費は工場建設をする上で気になるポイントだと思いますが、あまりにも安い業者は技術力の低い下請けに委託していることもあり得ます。
価格だけでなく、サービス内容や業者の実績も見た上で、納得のできる業者に依頼しましょう。
親身になって対応する会社を選ぶ
担当者の対応も見るべきポイントです。
化粧品工場の建設には規模にもよりますが、数ヶ月から1年以上かかるものです。
だからこそ、信頼できる相手に依頼しなければ、不安だらけの工場建設になってしまいます。
例えば、レスポンスが遅い担当者だと、ずっと不信感を抱くことになってしまいます。
そこで、打ち合わせの段階から信頼できる相手かどうか見極めましょう。
まとめ
化粧品は直接顧客の肌に触れるものなので、特に品質の高さが求められます。
品質が高く、安心して使えるような製品を作る工場にするには建設の段階から計画的にプロジェクトを進める必要があります。
工場の建設実績が豊富な建設会社に依頼し、納得のいく工場建設をしましょう。