この記事では次の内容をまとめています。
- メタルビル建築とは
- メタルビル建築で建設するメリット
- メタルビル建築で建設するデメリット
メタルビル建築で工場や倉庫を建設しようと考えている方が知っておくべきことを全てまとめました。
メタルビル建築とは
JFEシビルが扱うシステム建築商品の名前です。
歴史は古く、1970年にアメリカ生まれのシステム建築を初めて日本に導入しています。
メタルビル建築で工場や倉庫を建設するには提携している建設会社に問い合わせをする必要があります。
JFEシビルの建築商品を扱っている会社は全国に約230社あります。
メタルビル建築で工場・倉庫を建設するメリット10選
この記事ではメタルビル建築で工場や倉庫を建設するメリットをご紹介します。
①1600万平方メートル以上の実績がある |
②工期20%削減 |
③鉄鋼関連事業由来の高い技術力 |
④2階建・3階建にも対応可能 |
⑤天井クレーンの設置ができる |
⑥様々な用途で利用できる |
⑦レイアウトや動線の自由度が高い |
⑧断熱性が高い |
⑨耐震性に優れている |
⑩様々なオプションが利用可能 |
1600万平方メートル以上の実績がある
メタルビル建築の実績は1600万平方メートル以上。
システム建築メーカーは日本にたくさんありますが、その中でも大手の1つです。
システム建築で工場や倉庫を建てる際には実績が多いメーカーを選ぶのが大切です。
なぜなら、システム建築には従来の工法である在来工法と異なる特徴がたくさんあるからです。
また、工場や倉庫の建設ではレイアウトや動線など、一般の住宅の建設とは注意すべきポイントが異なります。
そのため、実績が多い会社のほうが満足の行く建設をしてもらえる可能性が高いです。
工期20%削減
メタルビル建築は在来工法に比べて工期をおよそ20%削減することができます。
これは部材を標準化していたり、外壁や建具の仕上げの工程が天候に左右されにくかったりと様々な理由があります。
早く工場や倉庫を稼働させたい、早く事業を拡大させたいという場合にぴったりです。
鉄鋼関連事業由来の高い技術力
JFEシビルは長年にわたって鉄鋼に関わってきた会社です。
メタルビル建築にはその中で培われた技術力が生かされています。
2階建・3階建にも対応可能
メタルビル建築では2階建や3階建にも対応できます。
限られた土地しかないが建物の面積を大きくしたい、それぞれの階を別々の用途で使いたいなど、様々なニーズに応えることができます。
2階建を建てられるシステム建築メーカーは他にもありますが、3階建にも対応できるのは珍しいです。
天井クレーンの設置ができる
メタルビル建築で建てる建物には天井クレーンを設置することができます。
システム建築はその特性上、デザインやレイアウトにおいて制約を受けることが多いですが、メタルビル建築では比較的柔軟な対応ができます。
様々な用途で利用できる
工場、倉庫、物流センター、店舗、事務所、スポーツ施設、住居、福祉施設、クリニックなど、様々な用途での施工実績があります。
レイアウトや動線の自由度が高い
工場や倉庫の建物内には機械や棚など様々なものが置かれます。
そのため、設計の段階で、どうレイアウトを作るかが非常に大切です。
メタルビル建築では設備に応じて最適なレイアウトや動線になるように考えてもらえます。
建設後ではなかなか修正が難しい部分だからこそ、建設の段階で慎重に検討したいですね。
断熱性が高い
建物の断熱性が高く、室内の気温を快適に保つことができます。外の気温が氷点下になっても室内の気温を15度前後で保てた例もあるそうです。
北海道や東北のような冬に特に冷える地方にとってはかなり魅力的ですね。
快適な環境下では従業員のモチベーションが高まり、作業効率向上にも繋がります。
耐震性に優れている
システム建築は部材の数が最低限になっており、構造も無駄のないものになっているため、建物全体の重量が軽いです。
そのため、地震が発生した際に揺れの影響が出にくいです。
日本に住んでいる限り、大きな地震はいつどこで起こるか分からないからこそ、地震対策は徹底しておきたいですね。
様々なオプションが利用可能
窓やシャッターなど、建物周りの設備において様々なオプションを選ぶことができます。
例えば、次のようなものがあります。
- アルミサッシ(引違い窓、外倒し窓)
- マンドア(片開き、両開き)
- シャッター(手動、電動)
- オーバードア(手動式、チェーン式)
- 換気/排煙/採光(ベンチレーター、トップドーム)
- 餝システム(KBリブ型・Kルーフ型)
メタルビル建築で工場・倉庫を建設するデメリット2つ
この章ではメタルビル建築で工場や倉庫を建設する際に考えられるデメリットをご紹介します。
①1mm単位での調整はできない |
②デザインの自由度は在来工法の方が高い |
1mm単位での調整はできない
メタルビル建築の設計の基本単位は300mmです。
つまり、建物の幅や奥行きを300mm単位でしか調整することができません。
別のシステム建築メーカーの横河システム建築が扱うyess建築では1mm単位で寸法を調節することが可能で、オーダーメイド感覚で設計ができます。
デザインの自由度は在来工法の方が高い
システム建築は部材が標準化されていたり、構造が合理化されている関係で、デザインの自由度は在来工法には劣ります。
設計や外観にこだわりがある方は在来工法のほうが向いているかもしれません。
メタルビル建築での工場・倉庫建設の価格
メタルビル建築での建設コストは使用する部材や土地など、条件によって異なります。
そのため、数字でいくらと説明することが難しいです。
見積もり額を知りたい方は「見積もりシミュレーター」を利用するのがおすすめです。
- 基礎種別
- 地域(積雪量)
- 幅
- 奥行き
- 高さ
を入力すれば、おおよその見積もりを知ることができます。
ただし、ここで出る価格はあくまで参考価格です。
メタルビル建築の屋根の特徴5つ
この章ではメタルビル建築の屋根システムの特徴をご紹介します。
①雨に強い |
②寒冷地に最適 |
③騒音対策ができる |
④ソーラーパネルを設置できる |
⑤屋上緑化が可能 |
雨に強い
二重ハゼ構造を採用することで雨漏り対策をしており、台風や大雨から建物を守ります。
雨漏りが発生すると製品や荷物が濡れて廃棄になることもあり、コストの無駄が発生します。
寒冷地に最適
メタルビル建築の屋根システムは寒冷地での融雪水や、つららの発生を抑制します。
その理由は二重立ち巻きハゼ構造と水密性の高さにあります。
騒音対策ができる
屋根システムに採用している断熱材は音を吸収するため、建物内の騒音を減らすことができます。
騒音が減ると従業員のストレスを軽減できます。
ちなみに外壁は遮音性が高く、室外に漏れる音を抑えられ、近隣対策になります。
こうした特性から、メタルビル建築はバッティングセンターに採用された例もあります。
ソーラーパネルを設置できる
屋根にソーラーパネルを設置し、太陽光発電を導入することができます。
環境対策になりますし、工場や倉庫の電気代削減にもなります。
太陽光発電についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
屋上緑化が可能
屋根の空いたスペースを屋上緑化として活用することも可能です。
屋上緑化とは屋根の上で植物を栽培すること。
- 景観が良くなる
- 従業員のリフレッシュになる
- 断熱性が上がる
このようなメリットがあります。
メタルビル建築の外壁の特徴3つ
この章ではメタルビル建築の外壁システムの特徴をご紹介します。
①耐久性に優れている |
②見た目の変化が起こりにくい |
③メンテナンス費45%削減 |
耐久性に優れている
メタルビル建築の外壁は耐久性や耐候性が高く、あらゆる土地条件に対応し、長持ちします。
見た目の変化が起こりにくい
銅板に錆が発生しにくく、塗膜が劣化したり、変色したりといったことも起こりにくいため、時間が経過しても見た目の変化があまり起こりません。
壁の塗装が剥げていたり、古くなっていたりすると、企業に対する印象は良くありません。
一方で、綺麗な見た目を維持できていれば、近隣住民や取引先から好印象を持ってもらえますし、従業員も仕事へのモチベーションが上がります。
メンテナンス費45%削減
外壁があまり劣化しないことから、30年間のメンテナンス費を45%削減することができます。
システム建築は在来工法に比べて建設費を削減できますが、保守コストまで下げられるのは嬉しいですね。
まとめ
メタルビル建築はJFEシビルが扱うシステム建築製品で、
- 3階建まで建てられる
- 工期を20%短縮できる
といったメリットがあります。
システム建築には他にも横河システム建築のyess建築など、様々な種類があるので、それぞれのメーカーを比べた上で、自社の理想に合う建物が作れるところを選びましょう。