この記事では次の内容をまとめています。
・工場や倉庫の老朽化の対処法
・老朽化を感じたらやるべきこと
・老朽化に早く対応すべき理由
建物の老朽化を感じている工場や倉庫の担当者の方が知っておくべきことを全てまとめました。
工場・倉庫の老朽化の対処法3つ
この章では工場や倉庫が老朽化した際の対処法をご紹介します。
1.メンテナンス |
2.建て替え |
3.リノベーション |
メンテナンス
まず、劣化した部分を修繕する方法です。
建設してから何年も経つと、雨漏りが発生したり、外壁が剥がれたりと、様々な劣化が見られるようになります。
稼働させるにあたって不都合が生じたら、その都度必要なメンテナンスを行うことで建物の寿命を延ばすことができます。
ただし、それぞれの箇所を適宜修繕するよりも、建て替えた方が長い目で見て節約になることもあります。
メンテナンスを定期的に行うと、本格的に劣化してから対処する場合に比べて寿命を延ばすことができます。
建て替え
既存の建物を解体し、建て替える方法です。
1から新しいレイアウトを考えるため、既存のものよりも生産性が高くなったり、使いやすくなったりするメリットがあります。建て替えは自由度の高さが強みです。
ただし、かなりの費用がかかるのがデメリットです。
リノベーション
リノベーションには「革新」「修復」といった意味があります。
新築のときよりも性能や価値を高めることを目的とし、既存の建物に対して大規模な工事を行います。
建て替えよりも費用を抑えることができます。
一方で、既存の建物を活用するため、新しくレイアウトや設備を決めるにあたって制限が出てしまうのはデメリットです。
工場・倉庫の老朽化を感じたらやるべきこと4選
この章では老朽化を感じたときにやるべきことをご紹介します。
1.現在の工場・倉庫の問題点を洗い流す |
2.減価償却の期間を確認する |
3.老朽化対策用の資金を調達する |
4.建設会社に相談する |
現在の工場・倉庫の問題点を洗い流す
先ほどご説明したように、工場や倉庫が老朽化したときの対処法として
・メンテナンス
・建て替え
・リノベーション
といった方法があります。
その中からどれを選ぶべきか分からないという場合もあると思います。
そんなときはまず今の工場や倉庫が抱えている問題を全て書き出してみましょう。
このとき、課題が建物の老朽化に関するものだけに留まらず
・今のレイアウトでは窮屈で移動がしづらい
・設備の老朽化も進んでおり、入れ替えたい
といったものもある場合、リノベーションやメンテナンスではなく、建て替えの方が望ましいでしょう。
減価償却の期間を確認する
建物の減価償却の期間を確認しましょう。
減価償却は節税効果があるため、この期間が終わるタイミングで建て替えをするのも1つの方法です。
もちろん、減価償却期間が過ぎても建物を使い続けることはできるので、建て替えのタイミングを判断する1つの基準として活用しましょう。
老朽化対策用の資金を調達する
老朽化対策をする際、どんな方法を取るにしてもそれなりのコストがかかります。
建て替えの場合は特に費用がかかります。
そこで、老朽化対策用に資金を調達しましょう。
借入をする際は審査など手続きに時間がかかるため、余裕を持って申請をするのがおすすめです。
建設会社に相談する
どういった対応を取るのが望ましいのか分からないとき、建設会社に判断してもらうという方法もあります。
建設会社では新しい建物の建設だけでなく、改修やメンテナンス工事も行っているため、建物の状態を見れば最適な対応を判断できます。
社内の人間だけで適切な方法を導き出す自信がないという場合は建設会社に問い合わせをしましょう。
工場・倉庫が老朽化に早く対応すべき理由4つ
この章では工場や倉庫の老朽化が進んだ際に早めに対処すべき理由をご紹介します。
1.建物の安全性が下がる |
2.異物混入の発生リスクが高まる |
3.取引先からの信用が下がる |
4.従業員のモチベーションが下がる |
建物の安全性が下がる
老朽化が進むと建物の性能は下がります。
すると、台風が来た際に屋根が飛ばされたり、地震が発生した際に建物が崩壊したりと、様々な危険のリスクが高まります。
すると、従業員が怪我をしたり、設備や荷物が破損したりしてしまうことが考えられます。
建物の中の人やモノを守るためにも、劣化を感じたら早めに対処するのが望ましいです。
異物混入の発生リスクが高まる
建物の劣化は異物混入のリスクも高めます。
例えば、外壁や天井の素材が劣化し、粉がポロポロ落ちるようになると、製品に混入する恐れが出てきます。
また、雨漏りが発生した場合、建物内にカビが発生し、食品に紛れ込んで健康被害が出る可能性も考えられます。
こうしたトラブルが起きると会社の信用問題に関わり、業績にも影響を与えるでしょう。
取引先からの信用が下がる
建物が古いと、取引先が会社に訪れた際に「この企業に依頼して大丈夫か」と不安を抱えてしまう可能性があります。
一方で、新しく綺麗な工場や倉庫であれば印象は良く、安心して取引をすることができます。
このように建物の外観は第三者からの印象も左右します。
従業員のモチベーションが下がる
老朽化が進んだ工場や倉庫は従業員の士気を下げます。
例えば、次のような悪影響が出ます。
・建物の雰囲気が暗く、気分まで暗くなる
・外壁や屋根の劣化により断熱機能が下がり、建物内の気温が調節できなくなって作業環境が悪くなる
・上記の結果、対策をしない会社に対して不満が溜まる
離職率が高くなると、採用や教育にコストがかかりますし、人手不足でさらなる不満を招いてしまいます。
大事な従業員が良い気分で働けるようになるためにも、対策をしましょう。
工場・倉庫を建て替える際の注意点5つ
この章では工場や倉庫を建て替える際に押さえるべきポイントをご紹介します。
1.次の工場・倉庫に求める条件をまとめる |
2.将来の方針や計画を確認する |
3.建て替える場所を決める |
4.効率の良い作業動線を作れる建設会社を探す |
5.工場の稼働を止めない建設会社に依頼する |
次の工場・倉庫に求める条件をまとめる
建て替えが決まったら、新しい工場や倉庫に求める条件をリストアップしましょう。
条件は既存の建物が抱えている課題をもとに考えることで、より良い工場や倉庫を建設することができます。
理想の建物像が決まったら建設会社に伝え、実現するためにどのような方法を取ればいいか検討してもらいましょう。
現在の建物を使う中で感じる不満を現場で働く従業員にヒアリングすると、経営陣だけでは分からなかった改善点が見つかるかもしれません。
将来の方針や計画を確認する
新しく工場や倉庫を建設する際、将来の事業計画についても確認しましょう。
ある程度、これからの方針を踏まえながら建設計画を立てなければ、「もう少し大きめに建設すれば良かった」「増築が必要になって、余計なコストがかかった」と建設後に後悔することもあり得ます。
・今後、事業拡大する予定があるか
・生産設備を増強する可能性があるか
といったことを分かっている範囲で把握しましょう。
建て替える場所を決める
建て替えには次のように様々なパターンがあります。
・既存の建物を解体して同じ場所に建てる
・敷地の中で、既存の建物がある場所とは別のところに建てる
・全く違う土地に建てる
どの方法を選ぶかによって、建設のプロセスや確認事項が大きく変わります。
例えば、全く違う土地に建てる場合、土地探しから始めなくてはいけません。
それぞれメリット・デメリットが異なるため、求める条件に合うものを選びましょう。
効率の良い作業動線を作れる建設会社を探す
工場や倉庫を新しく建てる際に重視すべきなのが作業動線です。
工場や倉庫では作業動線によって作業効率が大きく変わります。
建設後にレイアウトを変更するのは大変なので、計画の段階でベストな動線を構築するのが望ましいです。
これを実現させるためには効率の良い作業動線を作れる建設会社に依頼することが欠かせません。
工場の稼働を止めない建設会社に依頼する
今の建物を解体し、その場に新しく建てる場合、既存の工場の稼働をできるだけ止めない建築ノウハウを持った建設会社に依頼すると、生産量がゼロになるのを避けることができます。
弊社もこのノウハウを有しています。簡単に建築方法をご説明すると
①建物の半分を解体し、まずはその部分だけ建て替え工事を行う(残りの半分では通常通り作業を行う)
②完成したら設備を新しい方へ移す
③残りの半分の建て替え工事を行う
④完成
このような手順で行われます。
まとめ
建設から何十年も経つと老朽化が進み、対策を講じることが求められます。
対処法としては
・建て替え
・メンテナンス
・リノベーション
と様々な方法があります。
どれを選べば良いか分からないという場合は建設会社に相談してみましょう。