この記事では次の内容をまとめています。
・工場の閑散期に起こる問題
・工場の閑散期の有効活用法
・工場の閑散期はいつ?
閑散期を上手く活用して業績アップに繋げたいとお考えの工場の経営者が知っておくべきことを全てまとめました。
工場の閑散期に起こる問題3つ
この章では工場の閑散期に起こりがちな問題をご紹介します。
1.売上が落ちる |
2.従業員が時間を持て余す |
3.従業員の仕事の技術が落ちる |
売上が落ちる
閑散期は注文や生産数が少ないため、当然、売上は落ち込みます。
時期によって売上が増減するのは当たり前ですが、売上が少ない時期でも人件費などの固定費はかかるからこそ、閑散期とはいえ出来るだけ利益を出したいもの。
そのためには閑散期に追加で仕事を増やせるように動かなくてはいけません。
従業員が時間を持て余す
仕事が減ることで従業員が暇になってしまうデメリットもあります。
時計をチラチラ見ながら作業をして「針が進むのが遅いな…」なんて思うことも。
暇を持て余すのを防ぐには、従業員に時間がある時期だからこそできる施策やプロジェクトを行いましょう。
従業員の仕事の技術が落ちる
作業量が減ることで、仕事の技術が落ちたり、やり方を忘れてしまったりすることがあります。
これでは生産性が落ちて繁忙期にさらに忙しくなってしまいます。
閑散期は時間があるからこそ、仕事のやり方をさらにグレードアップするような教育・研修をするチャンスです。
工場が閑散期を有効活用する方法16選
この章では工場が閑散期を有効活用して業績アップに繋げる方法をご紹介します。
1.単発の注文を受ける |
2.新作の研究・開発を行う |
3.業界の展示会に参加する |
4.工場のWEBサイトやSNSを作る |
5.生産工程を見直す |
6.工場のレイアウトを見直す |
7.設備をメンテナンスする |
8.設備を最新機種に入れ替える |
9.新しいシステムを導入する |
10.社員研修で従業員のスキルアップ |
11.工場のエネルギー使用量を見直す |
12.繁忙期のスケジュールを確認して準備する |
13.在庫を最適化する |
14.フレックスタイムやリモートワークを取り入れる |
15.社内イベントを開く |
16.競合分析を行う |
単発の注文を受ける
まず、売上を落とさないためには閑散期の間だけの注文を受けるという方法があります。
既存顧客から追加の仕事がないか聞いたり、他社からの受託生産を引き受けたりと注文を増やすために営業活動を行いましょう。

新作の研究・開発を行う
閑散期には未来の売上アップのために新製品の研究・開発を行うのもおすすめです。
経営を安定させるには目の前の仕事をこなすだけでなく、将来に向けて備えをしておくことも大事。
繁忙期にはなかなかできないことだからこそ、閑散期を活用して新しい企画を進めたり、試作品を作ったりしましょう。
業界の展示会に参加する
新規顧客を開拓するために展示会やイベントに出展するのはいかがでしょうか?
時間に余裕のある閑散期なら遠方のイベントでも参加しやすいです。
展示会にはその業界に興味があったり、ニーズのある層が来場し、一度に多くの人に自社を知ってもらえるため、効率的な営業活動ができます。
工場のWEBサイトやSNSを作る
マーケティングを強化するためにWEBサイトやSNSに力を入れましょう。
工場を探すとき、まずはネットで探すという層も増えています。
その際に、公式サイトがあって、中身も充実していたら安心して問い合わせができ、受注に繋がります。
特に製造業界はネットでの集客に力を入れている企業があまり多くないため、出来るだけ早く構築することでチャンスは大きくなります。
未来の顧客の心を掴むには専門家に依頼してクオリティの高いページを作るのがおすすめです。

生産工程を見直す
今までの製造工程を見直して、無駄がないかをチェックしましょう。
製造は毎日のように行うものだからこそ、少しの無駄でも長い目で見ると大きな損失になっていることも。
そこで、時間があるタイミングで改めて工程を最適化できているか見直し、改善可能なところがあればより効率的なやり方を考えましょう。

工場のレイアウトを見直す
工場の生産効率にはレイアウトが大きく関わっています。
動線が悪いと移動距離が多くなり、無駄な時間が生じます。
工場は大きな設備や機械が多く、気軽にレイアウトを変えることは難しいからこそ、生産量が少ない閑散期にレイアウトを見直し、必要があれば配置を変更しましょう。

設備をメンテナンスする
閑散期にぜひやっておきたいのが機器のメンテナンスです。
点検をして新品同様のベストな状態に戻すことで、繁忙期に突然機械が壊れて製造が止まるのを防ぐことができます。
メンテナンスで大事なことは異常が見られない機器も点検すること。
異常がなければ問題ないと思いがちですが、部品が摩耗していたり、見えないところが壊れていたというのはよくあることです。
閑散期には工場内の機械を一通り点検しましょう。

設備を最新機種に入れ替える
閑散期は機器を最新のモデルに入れ替えるのにおすすめのタイミングです。
なぜなら、機器の入れ替えには時間がかかり、製造も一時的にストップしなければいけないからです。
最新機種にすると
- 生産効率が上がる
- 故障のリスクが少ない
- 省エネになる
といったメリットがあります。
新しいシステムを導入する
- 生産管理システム
- 品質管理システム
など、できるところにシステムを導入し、生産性を高めるのもおすすめです。
システムを導入すると、今まで人手でやっていたことが自動化されるため、時間が浮きます。
しかし、最初は慣れるまでに時間がかかりますし、従業員の教育も必要です。
そのため、導入するなら時間に余裕がある閑散期が向いています。


社員研修で従業員のスキルアップ
閑散期は従業員のスキルアップをするチャンス。
社員研修を行い、成長する機会を設けましょう。
例えば、このような教育・研修をしてみてはいかがでしょうか?
- 新しい製造技術の共有
- 勉強会を開いて資格取得を応援
- 安全対策の講習を実施

工場のエネルギー使用量を見直す
工場は日々多くのエネルギーを消費しています。
月々の電気代が高額という企業も少なくありません。
そこで、閑散期に工場のエネルギー使用量を見直しましょう。
必要以上にエネルギーを使っているところを特定して調整したり、使っていない設備の電源を抜いたりと、些細なことでも対応することで、年間の光熱費を大きく削減することができます。

繁忙期のスケジュールを確認して準備する
閑散期は繁忙期に備える時期。
繁忙期について
- いつ頃来るか
- どれくらい続くか
- 注文数はどれくらいか
といったことを整理しましょう。
また、来たる繁忙期について従業員にも共有し、有給の取得を推奨すると、繁忙期の人手の確保に頭を悩ませなくて良くなるかもしれません。

在庫を最適化する
在庫量が適正かを見直しましょう。
在庫が多すぎると倉庫を圧迫してしまいますし、在庫管理の手間もコストも増えてしまいます。
ただし、在庫は減らしすぎると供給が追いつかずに欠品するリスクがあります。
そのため、あくまで「最適化」することを目指しましょう。

フレックスタイムやリモートワークを取り入れる
フレックスタイム制を取り入れたり、できる範囲でリモートワークを許可したりと、柔軟に働ける仕組みを取り入れましょう。
理想的な働き方ができることで、従業員の仕事に対する満足度が上がります。
社内イベントを開く
交流会や1日限定のイベントを開催し、従業員同士の交流を深める機会を作りましょう。
社内の全員があまり忙しくない時期だからこそできることです。
仲がさらに深まることで仕事に対する士気が上がり、生産性も上がって会社にもメリットをもたらします。
「楽しい1日になった」「この会社で働いてよかった」と思ってもらえるような企画を考えましょう。
競合分析を行う
経営を安定させるためには競合他社の分析が欠かせません。
閑散期に競合について改めて調査し、どうすれば自社が優位に立てるのか分析し、施策を考えましょう。
工場の差別化の方法はこちらの記事でもまとめています。

工場の閑散期はいつ?
一般的には次の時期が繁忙期と言われています。
年度末…決算期により企業からの発注が増える
夏季…お中元による需要増
年末年始…クリスマスやお歳暮による需要増
そのため、これ以外の時期が閑散期になりやすいですが、具体的な時期は扱っている製品によって変わります。
そのため、自社で製造している製品や、実際の依頼スケジュールを見ながら、閑散期や繁忙期を見極めましょう。
まとめ
工場の閑散期は受注量が少なく、時間に余裕があります。
業績が落ちないように単発で注文を受けるのも良いですし、従業員を教育したり、設備をメンテナンスしたりして、未来の生産量を上げるという手もあります。
ぜひ閑散期を有効活用して、生産性も利益もアップさせましょう。